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令嬢、ダンスはタップ派


ローから離れようと必死にかかとで靴を踏みつけてみるがノーダメらしくケロッとしている。
仕方がないので言葉で交渉といこうではないか。
ぺっぺっ、交渉とか得意じゃないから嫌なんですがねえ。
リーシャはローに媚びた様子を形作り無理矢理笑みを張り付ける。
頑張れマイメンタル。

「というか、貴方誰ですか?見知らぬ男に触られて私はとっても不愉快です。海賊って色欲が幅広いんですね。誰でも良いなんて、そこに居る人をオススメします。その手を放しなさい」

たしぎ、ごめん。

「はァ?っ!」

ローの思考が迷路に進みかけたのを隙と見て、にやっとなり思い切りお腹に肘鉄を掛ける。
体の体重を乗せた。
今のにや、は見られてないな、セーフ。

「クソ、何しやがる………」

何しやがるって、不届きものに制裁を与えただけですが、何か?
素知らぬ顔で汚いとものを見る視線に留め、ローからソッと離れ、ルフィの元へ行く。
あ、大分離れちゃったなー。
仕方ないとナミ達の方へ転換し後を行く。
ローを見るまでもなく例の部屋へ行こうとしていたし、ここはやはり原作の強制力なんだろうなぁ、と感じた。
いつもの知るローならこちらへやってきたと思う。
それにしてもなんでこんなに付いてきたがるのでしょうか。
半年以上も離れていたから積もる話しもあるんだよって話したがっている様にも見えない。
彼がビービー!と鳴る警報を物ともせずに歩いていくのを後ろから見やり、ナミ達の後に付く。
もうトラ男は良いのかとロビンが言ってくるが、関係ないとにっこり笑みを渡す。
しかし、麦わら一の頭脳を持つ女はその追求よりも先を行く。

「私思い出したの。彼が結婚したという記事をね」

それにどんな表情を浮かべたのか自分でも分からないが、ポーカーフェイスはもう意味をなさないだろう。

「ロビンさん。世の中には望んで物事を筒がなくするって事を出来る人は何人くらいだと思います?」

ロビンは真面目な顔で聞いている。

「私は望んでこうなった訳ではないです。全てを権力者に奪われてばかりの人生」

ロビンもその気持ちは少しくらい分かる筈だ。
自分の事を理解してもらえると思うが、ロビンの闇は自分には絶対に分からないところにある。
汚れ仕事もしたことがない女だもの、リーシャは。
海賊とは名ばかりの。

「漸く自由になれそうなんです」

結婚をさせられ、あのクソな父親を出し抜けたと思うだけで身体からアドレナリンは溢れ出す。
ローはあくまで過程にある存在だ。
自分の意思でここにいて麦わらに付いていっている。
それだけで、もう良いのだ。

「貴方達は命の恩人だし、貴方達を応援する心は本物です」

カッコ良くはいかないが、ロビンはそう、と納得したかは分からないが呟く。
綺麗な人に疑われるのは辛いから早めに疑いは晴らしたい。

「トラ男に付いていかなくて良いの?」

「ええ。彼はそもそも半年も前から私達の前から居なくなりまして、傍に居ないのは慣れてます」

皆はローがいきなり帰ってきてもきっと船長と言い喜んで迎い入れてしまうだろう。
たがしかーし、リーシャはそうは簡単に受け入れぬ。

「貴方、実は彼に怒っているのかしら」

いつの間にかクスッと笑みを浮かべている人に指摘されてふふっと笑う。

「怒っているというより、無関心でいるように努めたいんですけれどね」

ロビンは大人だから少し波長が合う、あ、ごめんなさい、石投げないでぇ!
え、誰も投げてないって?
ファンだよ、視線という石に顔面が変形するよきっと。
ロビンとお前を一緒にするなってクレームが来るだろう。
そんな事を行ってしまった自覚があるもの。
全部想像なんですけどね。

「あ、ビスケットルーム」

ほぼ独り言の小声。
あったのは子供部屋を突っ切った先にある部屋。
その先にある部屋でモチャという子がアメを持っていってしまったり残りの子達がモチャを追いかけ、モネが登場し部屋が一面銀色になってしまう。
凄く寒い。
ナミも良くあの格好でこの部屋を動けたなぁ。
感心しているとゾロがナミを助ける。
モネは一向にこちらを攻撃してこない。
弱い者を狙うといっていたのに可笑しいな。
もしかしてリーシャは認識しにくくなっているのではないか。
ゾロが雪を切り道を作ってくれたので先に行く。
そういえばこの先はーー。


場面が変わり、今居るのはローとスモーカーが引いてきた巨大なトロッコ。
中に鎮座しているとローがルフィに急がないと毒ガスが云々と言い含めようとしている。
真面目だから致し方ない。

「よっと」

「!、おい、勝手に降りようとするんじゃねェ」

ローがブラッとした間抜けな姿で降りようとしているリーシャを中に押し戻す為に頭上にあるヒップを手で押し上げてくる。
思わぬ感触にカチコチと固まるとルフィが呆れた声音で「トラ男は変なところを気にするなァ」と言う。

「ちょ、や、やめてよ。へ、変態っ」

止めてほしさに小さく罵る。
凄い力が下から伝わってきて慌てて横にズレた。
ルフィなら兎も角、サンジやナミに見られたらからかわれると言うフルコースになりかねない。
それは流石に嫌だ。
まだ女をそこまで捨ててないもん。
足をバタバタさせて、やりずらいのかローが「止めろ」「暴れるなっ」と言う。
その前にお尻を離せよな!

「くぉらァ!何女の尻触ってんだ!?羨ましけしからん!」

「そうだぞトラファルガー・ロー!」

海軍の人達が援護射撃してくれる。
邪な気持ちたっぷりな声援に追随する己。

「犯罪歴に変態が加えられますわよ」

「加えられるか、しかもだせェ」

ダサいからやめろって言ってんだよこいつぅ!
足をバタフライ化させてうにゃうにゃさせていると、トロッコに遂に押し込められて中へ倒れた。

「いったぁ!ゆるざんっ」

口も痛くて濁ってしまったが、怒りは育っていく。
さっきから色々邪魔されているのがムカついてムカついて嫌だ。



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