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令嬢、体験


モネが令嬢の回答に怪訝な顔をするので尚更面白く感じた。
なんと言うか、モネは新聞だけの情報を便りにしている臭いので押し通せる気がする。
世の中にこんなにアグレッシブな令嬢が居ると思ってる人はとっても少ない。
なので、さらっとぺろっと嘘を言い彼女の問いに答えておいた。
しかし、リーシャの言葉も立場にも興味がないのか、直ぐにシーザーの指示に従うと映像を写す準備をする。
なんとも思いのままに動かすシーザーにドフラミンゴの命令なのだろうなと考えて当然な答えに納得。
肝心のローはリーシャをすっごおおく睨み付けてきている。
どういうこと?何か文句でもおありなんですかー?

「ちっ。後で覚えておけ」

近くなのでよおく聞こえる。
きゃーこわあい、なんて。

「ルフィさん。この人が私の事を苛めてきます」

せんせー、告発しますぅ。
ルフィせんせー にチクればローの睨みと威圧感が増す。
麦藁船長はローに「俺のダチと仲良くやれよートラ男〜」と言われて歯をギリィ!とさせる。
へへへーん。
ルフィはヒーローポジなので無敵なのだよロー。
分かったかね?おーっほっほっほ!
シーザがローの心臓を持っていてぎゅっとして彼がうわあと喚く場面は軽く飛ばし、ゾロ達が映像で写されてルフィが叫び、シーザーがお前らも云々で檻が丸ごと外に出される。
スモーカーの生存に外に居て中へ入ろうとしていた面々のGー5がスモーカに向けてスモやんと叫ぶのが聞こえた。
それにしてもモネのビジュアルが結構好きだったかも。
展開がこれから動いていくので今のうちに散るモネの事を浮かべて内心眠れよ、と合掌。

「あいつ………!」

ルフィの独断行動にムカついた顔を浮かべるロー。
え、まだお宅ルフィを操れると思ってたの?有り得ないし無理だし。

「待て」

鎖から解き放たれた猟犬が、あ、間違えた、スモーカー氏が話しかけてきたので振り替える。

「お前はトラファルガーの妻、だな?」

「貴方になんの関係があるの?まさか、結婚していたとして、私も海賊とかって暴論でもかますの?なにそれ?大体政略結婚の意味理解してます?という言葉を前提にして言葉を述べよーね」

「ヤケに、突っかかるな、オイ」

「あー、分かっちゃいます?私、海軍嫌いっすから。父親と同じ人間なんて尚更。で?私に何のご用?」

妻と人から連呼されて機嫌が悪くならないわけがないし、今問う事でもない。
令嬢の仮面を殴り捨て一気に言いまくる。

「っ、やりずれェ」

「スモーカー准将!その方は民間人なのですよ。八つ当たりのような態度はいけませんっ」

たしぎが庇ってくれる。
たしぎ可愛いハスハス!
はっ、ちょっと落ち着け己。

「たしぎさん。今度私とお高いスイーツを食べにいかない?ん?あ、うん。口説いてまあああ!」

アイアンクローを受けて最後まで言えず後ろに引っ張られる。
それをやったのはスモーカーではなくロー。

「俺は誘われたことが無い。誘えるのなら誘え」

嫉妬?……………はんっ!
ローがこちらに気を取られているのなら理はこちらに、あり〜。

「何故毎日嫌でも顔を会わせ、会う度に身勝手な口説き文句を嫌々聞かされている人を何で誘うんです?どこの物好き?ふん」

「て、めェ」

ローは怒りで戦慄いている。
殴るのなら殴れよ、それで正式に離婚申し立てしてやんよ。

「おい、此処で痴話喧嘩は止せ」

スモーカーの台詞に二人揃いギロッと睨む。
しかし、理由が異なっていた。

「いつもの事だ、口を出すな」

「仲が良いと言われているようです。訂正を要求します」

ムカついたので早口で捲し立てる。
しかし、彼は訂正しようとしない。
あれだけ無関係を貫いたというのに、まだ理解出来ないのか、と思ってしまう。
というか、彼らは遠にローとの関係を察しているのなら、更に気を遣ってくれればいいのに。
身勝手だが令嬢だものー。
多少の我が儘は仕方ないと見られるから。
結局スモーカーは放って建物内に入り海軍の者達が中に入ってくるのを眺めて過ごす。
リーシャは周りを見渡しつつ入り口が閉じられるのを見届けた。
ゾロ達により切り裂かれた壁は毒ガスが入ってこれないように塞ぐ。
いや、これ笑えない、下手したら皆死ぬし。
皆が出揃った後、漸くそれぞれ話し合ったらしく動き出す。
こちらも動こうとリーシャも前へ進もうと歩き出したがーーどうにも進まないので原因を睨み付ける事にした。
ムカつくから睨む、山があるから睨むのだ。
あ、間違えた、登るのだよ。
腰をぐわっと腕にかけて囲っている男に合わせて身を高く反らして目を上に伺わせる。
疲れるし、背が高すぎるのだそもそも。
これじゃあなにも出来ないし一緒に居たくないのだが。
ルフィにSOSを送りつけてみるが、彼は早速敵を蹴散らしているので見てくれそうにない。
代わりにスモーカーを見るとモクモクしていて、こちらへやってきた。
今鳴っているこの音は何だと聞く彼に対するローの台詞は閉じ込められるという事実。
酷い、こんなに助けてくれアピールをしているのに、一向に助けてくれぬ。
絶対に絶対に許さないっ。
海賊嫌いとか言っときながら、こうやって助けを求めても助けてくれないとか、ふん!
もういいや、自分でやっておく。

「離せ、節操なし」

「節操がないのはお前だけの時だ。知ってる、だろ?」

クスッと副音声が聞こえてきそうな滑らかな声音にゾクッとする。
ヤバい、鼓膜危険。
レッドカラーがピコンピンコンガンガン警告が鳴り響いている。



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