恋はいつでもハリケーン!
「お帰りなさい船長」
「………」
「……船長?」
「!……あァ」
「どうしたんですか?」
町へ降りていたローは船へ帰ってきてから様子が変だった。
ペンギンは心配になり尋ねた。
「ペンギン、俺はな……」
ローの言葉にクルー達は息を呑む。
そう、ここはクルー達がお腹を空かせる頃に美味しそうな香りがが漂う食堂なのだ。
ローの様子を不審に思っているクルー達を見かねて代わりにペンギンがローに話し掛けたのだった。
「恋を、した」
「「「……はァァ!?」」」
ローの遥かに予想を越えた単語に船員達は目を点にするしかなかった。
「……どういう事なんですか……?」
唯一、ペンギンだけが冷静な声で聞いた。
内心はとても驚いていて他の言葉が出なかっただけなのだが。
「どうもこうも好きになっちまったってことだ」
きっぱりと言い切ったローにクルー達は再び度肝を抜かれる。
「う、嘘だろ……」
「あの船長が!?」
「い、医者!医者を呼べェー!!」
「馬鹿っ!お前船長が医者なんだろうが!」
「そうだったァ!」
クルー達がぎゃあぎゃあ騒いでいる中、ローの地を這うような低い声が響いた。
「てめェら…言いたいことはそれだけか…」
クルー達は機械のようにギギギ…と頭を動かすと額に青筋を浮かべたローが立っていた。
「ROOM」
「「「ぎゃあああ〜!!」」」
その日、トラファルガー・ローの初恋記念日が出来たことをペンギンはクルー達の絶叫を聞きながら航海日誌に付けたのだった。
(今日も異常なしと…)
(おいィ!俺らめちゃくちゃバラバラになってるからな!!)
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