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「#幼馴染」のBL小説を読む
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俺はリーシャに二度とくるなと言われたが生憎俺は無法者の海賊だ。


そんな簡単に諦める気もさらさらないし彼女の言葉を素直に聞く理由がねェ。



「行ってくる。」

「はい。頑張ってきて下さいね」

「フ、言われなくとも」



ペンギンの言葉に俺はニヤリと口角を上げながら歩き出した。














































しばらく歩き、リーシャの家に差し掛かると突然扉が開いた。


(誰だ……?)


出てきたのはリーシャではなく両端を括っている海兵の女だった。


俺はその女の顔に微かに見覚えがありそのまま俺は木の影に隠れ様子を見る事にした。


「あ〜あ、せっかく仕事しないですむと思ったのになんで私がリーシャちゃんの荷物の忘れ物がないか調べなきゃなんないのよぉ!」



俺は女のが言っている事に違和感を感じた。



(荷物の忘れ物?)



俺はその言葉になにか嫌な予感がし、この際海兵だろうがどうでもよくなり俺は構わず女に声を掛けた。



「おい」

「え……きゃああ!」

「うるせェ……」


俺が目の前に立つと女は予想以上に驚き、その叫び声にイライラしながらも冷静に質問をした。



「さっきの言葉はどういうことだ」

「は?」



俺の言葉に女は意味がわからないという顔をした。



「だから荷物がどうだとか言ってただろ」



もう一度言い直すと女はようやく理解したようであぁ、と声を出し、俺に怪訝な顔を向けた。



「そんなこと聞いてどうするの?というか貴方海賊でしょ……?」

「黙れ。俺はどういうことなのか聞いている。答えろ」



俺が声を低くして聞くと、女が一歩下がって息を呑んだ。



「っ……あの子は今日この島から出て行くのよっ!」


女は衝撃の言葉を俺に吐き捨てると牛や羊が放牧されている冊に腰掛けた。



「なに……?」



俺は自分の目が見開くのを感じた。



「貴方がリーシャちゃんの事をどう思っているのか知らないけれど、もう手遅れだと思うよ?」



女はクスリと先程俺に威圧されていた事を忘れたように笑みを浮かべた。



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