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昨日から船長の機嫌がありえない程良かった。



「………」




「船長何かいい事でもあったんですか?」



キャスケットは昨日からずっと聞きたかった事をタイミングを見計らって尋ねた。




「まァ、な」



(船長が笑った……!)



船長は嬉しそうに口角を上げた。



「何があったんですか?」



俺は機嫌がいいなら話が早いと思い深く尋ねた。






「デートをした」




「へ?」



デ、デート……?



それだけで?




(あの死の外科医、トラファルガー・ローがデートだけで機嫌がいいなんて……!)



俺は度肝を抜かれた感じがした。








船長はだいたい女とデート、なんてするような人ではなかったはずだ。





なのに、俺は船長がそんな事で上機嫌になる理由に一つしか思い浮かばなかった。






「もしかして、あの海兵の子ですか……?」



「当たり前だろ」






(当たり前って……)



当たり前じゃないのが船長なのに。




そんな事より俺はあの気の弱そうな海兵と船長がデートをした事に驚いた。




(絶対船長が無理矢理連れて行ったんだろうな……)




じゃないとあの海兵から誘うはずはない。





(それに)




俺達は海賊だから。



海兵と海賊がデートなんて前代未聞だろう。








(あ、でも……)




「なんとなくですけど、前よりかは船長の事を拒絶しなくなりましたよね?」




俺は前の島で船長に抱きしめられたリーシャが泣き出した事を思い出した。





「って、船長……?」



俺の言葉にピシリと固まった船長。



(どうしたんだ?)



俺が船長の顔を覗き込めばいきなり船長が笑いだした。





(えぇ!?)



俺はわけがわからなくなり船長を見ているしかなかった。




「ククッ……確かにそうだな……」




船長は笑い終わると小さく微笑みながらそう漏らした。




(彼が狼ならばさながら彼女は羊なのだろう)



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