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「はぁ……」
私は何度目かわからないため息をついた。
昨日、トラファルガーさんと……本人曰くデ、デートをしている間私の心臓はずっと痛いくらいに高鳴り続ける。
彼の顔がまともに見れなくて一つ一つの仕種に心臓がドキリとなった。
私はそこまで考えると枕に顔を埋めた。
「もう……意味がわからないよ……」
私は何がの病気になってしまったのだろうか?
(でも)
何かそれとは違うような。
自分でもよくわからない感情に頭がぐちゃぐちゃになった。
『それで私に電話してきたわけね……』
「うん、いきなりごめんね……」
『別に迷惑だなんて思ってないわよ。相談してくれて嬉しかったわ』
「ありがとう……私どうすればいいのかわからなくて……」
私は考えて思い切ってランちゃんに助けを求めた。
『リーシャもついに来たのね……』
「ランちゃん何か知ってるの……!?」
ランちゃんの言葉に私は密かな期待を胸に返事を待った。
『まぁ、ね……』
ランちゃんはどこか言う事を躊躇しているような声色で言った。
「ランちゃん……?」
私は不思議に思い呼びかける。
『リーシャ、よく聞きなさい』
「……うん」
私はランちゃんのいつにない真剣な声に知らない内に頷いていた。
『それはね……
恋よ』
「こ……い……?」
私は震える声で言葉を繰り返した。
『リーシャ、落ち着いて。最初は……リーシャ?リーシャ聞いてるの?リーシャ?!……!』
「あ、の……また、電話する、ね……」
『リーシャ!落ち着くのよ!………よく聞い――』
――ガチャ
私はランちゃんの言葉を最後まで聞かず電話を切った。
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