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「今回は……厳しい任務だったから仕方なかったか……」
大佐は私達を見ながら難しい顔をしていた。
「すいませんでした……」
私は大佐の言葉に恐縮してしまう。
そんな私に対してココナちゃんはそっぽを向いて爪を眺めていた。
「まぁ、気に病むな。次を頑張ればいいさ」
「ありがとうございます……!」
大佐の優しい笑み付きの顔に私の心はほわんと暖かくなった。
「あのぉ〜、もう帰っていいですかぁ〜?」
「……!?」
私が大佐に感動している時、ココナちゃんがめんどくさそうな声を出しながら言った。
「……いいだろう」
私が驚いていると大佐はココナちゃんの態度に慣れているのか諦めたように言った。
「やったー!じゃ、お疲れ様でしたぁ〜!」
大佐が言うとココナちゃんはあっという間に部屋を出て言った。
「………」
「はぁ……あいつには手を焼かされる」
大佐はぽつりと言った。
「……すまないな、君に聞かせるべきではなかったな」
「いえ……」
大佐は苦笑いしながら言うと私に君ももう帰りなさい、と背中を押され私は渋々部屋を後にした。
******
『トラファルガー・ローがこの島に来たの?!』
「うん……」
私は大佐の部屋を後にした後、家に帰りいつものようにランちゃんと電話で話していた。
『なんだかまるでリーシャの事を追いかけている見たいね……?』
「そ、それはないと思うよ……!」
私は自分がそこまでの人間だと思わない。
『リーシャは可愛いからありえなくなんかないわよ!』
ランちゃんが自信たっぷりで言うから私は苦笑いした。
「そうかなぁ……あ、そういえばそっちは大丈夫なの?」
ランちゃんは今だにキッド海賊団にさらわれたままだった。
『あぁ、私は平気よ。それよりも面白い話しがあるのよ……!』
「うん?」
『あのね、殺戮武人のキラーって知ってる?』
「キラーって……憶越えの人……?」
名前からして凄く怖い。
『そうそう!キラーがねなんとキッド海賊団の家事を切り盛りしてたのよ!』
「え、えぇ〜!?」
それはなんともシュールだ。
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