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- ナノ -
 
33


あぁ、神様はなんと悪戯好きなのだろうか。





私は今、現在進行形で頭が混乱していた。

「え、と……」

私が困惑していると、ココナちゃんが私の顔を除いてきた。

「どーしたのリーシャちゃん?」

「!……いや、その……」

ココナちゃんの問いにそういえば潜入捜査をする海賊団の名前を聞いてなかった事に気がつき、私はどう言えばいいのかわからなかった。

そんな時、ココナちゃんの両腕を二人のクルーが掴む。

コ「え?!……いきなり何なの……!」

「まァまァ、お嬢さん。俺達と一緒に向こうで飲もうぜ!」

「え、ちょ……私はそっちの船長さんの方が……!」

ココナちゃんが最後まで発言する前に二人のクルーとトラファルガーさん以外のテーブルに座っていたクルー全員がそそくさと違う席へ移動した。

「え!コ、ココナちゃん!?」

私が後を追おうとすると、白クマのベポちゃんがいきなり私を横抱きにする。

「きゃあっ……!な、何?!」

突然の浮遊感に驚いているとポトリとソファに落とされる。

「ごめんね」

ベポちゃんはそう言うとドスドスと他のクルー達と同じように違うテーブルへ行ってしまった。

「え……?」

意味が分からず、ボーっとしていると、突然腰を抱かれる。

「なっ……!」

私はその人物がわかった瞬間しまったと感じた。

「リーシャ……」

耳元に感じた吐息に私は今の自分の状況を把握して顔が赤くなる。

「ト、トラファルガーさん……」

もう一生会う事はないだろうと思っていた。

横を向くとニヤリと口端を上げているトラファルガーさんが至近距離にいた。

「会いたかった」

「っ!」

テノールの声で囁かれた後耳たぶを甘噛みされた私は耐え切れず目をつぶる。





***





LAW Side




クルー達が気をきかしてか、リーシャの他にいたもう一人の女と一緒に違うテーブルへ移る。

リーシャが驚いているとベポが先手を打って俺の隣へリーシャを座らせた。

我がクルーながらなかなか空気が読めるものだ。

リーシャが混乱している内にすかさず俺はリーシャの腰を抱く。

するとリーシャは予想通りの反応をした。

俺はリーシャの赤みがかった頬に愛しさを感じ、それと同時に悪事心が芽生えてリーシャの耳たぶを甘噛みする。

それに対してリーシャは恥ずかしいのか目を固くつぶる。

俺はすぐに耳から口を離すと、リーシャの反応に可笑しくなりくつくつと笑った。



*****



リーシャがローの笑い声を聞いて目を開けるとからかわれたと知り余計に恥ずかしくなる。

「か、からかわないでく、ください……!」

まだ熱の覚めない顔で言うとトラファルガーさんは笑うのをやめて、悪かった、と言った。

私はトラファルガーさんが素直に謝った事に驚く。

そんな私にトラファルガーさんは質問をしてきた。

「しかし、なんでリーシャがこの島にいるんだ?」

私はそこで自分は今海賊の潜入捜索をしていた事を思い出し、慌ててトラファルガーさんの質問に答える。

「そ、それは言えません……!」

私はそう言うと慌ててココナちゃんを探す。

ローはというとリーシャの言葉にもしかして、と感じた。

リーシャがまだ海兵ならこんな露出した服を着ているのには海兵としての仕事なのかもしれないとローは考える。

そして、ローは周りをキョロキョロしているリーシャを見詰めた。

髪型はうなじがよく見え、髪の色によく似合うブルーのドレスに普段のリーシャは絶対に着ないであろう胸などいたるところが露出した姿。

ロー的にはこれほどまでに喜ばしいことはなかったが、これが潜入捜索かもしれないとすぐにわかるとローはニヤリと笑みを浮かべた。



(彼女はさながら無防備な彼のデザートだ)



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