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俺はリーシャの家がもぬけの殻だと知った後、リーシャの居所を聞き出す為に海軍の駐屯場を襲撃した。

騒ぎに駆け付けてきた海兵達は相手にもならなかった。

だが、リーシャがこの襲撃を自分のせいだと感じてしまうかもしれないと思った俺は能力でバラバラにするだけで、相手に怪我をさせることはしなかった。

そんな事を考えているとこの島で最高責任者であろう軍曹が出てきた。

アルマ軍曹「くっ、トラファルガー・ロー!貴様、よくも部下を……!」

軍曹はそう叫ぶと俺に切り掛かってきた。

だが俺はそれより先に能力を発動する。

「なっ……?!」

驚いている男を余所に俺は切断した相手の首から上の部分を掴む。

「は、離せ……!」

「黙れ」

ローの殺気を含んだ声にアルマ軍曹は一瞬で顔色を無くす。

「俺の質問に答えろ。リーシャはどこにいる?」

ローがそう言うと顔色を無くしていたアルマがフッと笑った。

「……何が可笑しい」

ローは突然アルマが笑みを浮かべた事に眉をしかめる。

「残念だがもうメイスはこの島にはいない」

「どこにいるんだ」

「それを言うと思うのか?残忍な海賊に…!」

アルマは蔑んだ目でローを見る。

「ハッ、上等じゃねェか」

ローはアルマのそんな抵抗を予想していたのか、ニヤリと不吉な笑みを見せた。

そしてローはアルマの頭を地面に落とす。

「お前らのあいつに対する態度を見ていると、俺の事を残忍だと言えるようには思えなかったがなァ……?」

ローは驚いた顔をしているアルマを一瞥すると、そのまま靴を鳴らしながら海軍の駐屯場を後にした。











ローのそんな行動に一番驚いていたのは紛れもないハートの海賊団のクルー達である。

騒ぎに動揺しているクルーにローはただ船を出せ、と命令するだけで、その後は、ペンギンがローから事情を聞き、それをクルー達に伝えたという事だった。

クルー達がペンギンに説明を求めている時、ローは自室のベッドに座っていた。

「くそっ……」

海軍を襲ったまでは良かったものの、全くリーシャの事がわからなかった自分自身に腹がたった。

それと同時に、女一人の為に行動を起こす自分を嘲笑う。

「昔の俺が見たらどう思うんだか…」

今までも女に不自由なんてしたことはない。

それに来るもの拒まず、去る者追わずだ。

そんな俺が自分から近づき、おまけに女を追おうとしているなんて滑稽だ。

そこまで惹かれる女が現れるなんて一生ないだろうなんてたかをくくって、海賊という職業だからこそ余計にそう思っていた。

リーシャに一生会えなくなると感じてしまうと戦っている時でさえ感じない恐怖心が込み上げてくる。

だが、プラトニック・ガーデンという島の酒場でリーシャの姿を見た瞬間、俺の中にある恐怖心はすっ飛んだ。

俺は奇跡なんて信じるタチではないが、この時だけは少しだけ信じてしまいそうになった。





(この気持ちを君にも伝えたい)



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