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私に話し掛けてきた羊はメイリーと名乗った。
初めはビクビクしていたけど、メイリーとしばらく話している内に彼女に対する緊張感が少しずつ無くなっていった。
「あ、もう行かないと…!」
「随分話し込んでしまったわね。お話の相手になってくれて嬉しかったわ」
「いえ、私も楽しかったですし……」
「ふふ……、良かったらまた話していただける?」
「もちろんです……!」
メイリーと別れると私は地図に書かれている駐屯場へ向かった。
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「す、すいません……」
「は〜い……?」
私は駐屯場へ着くと、中へ入り誰か居ないか、声を掛ける。
「……!あ、貴方今日から派遣された子ね!」
私を見ながら言った人は私と同じぐらいの歳の人で、髪型がウサギのように結ばれた、見るからに私と正反対のような女の子だった。
「は、はい……、あの、貴方は?」
「あ、私はココナ!ココナって読んで!」
「えっと、ココナ……さん、私は今日から此処で働くメイス・リーシャです……」
私はドギマギしながらペコリと頭を下げる。
「あははっ!よろしくね、ココナさん、はなんか変な感じがするからせめてちゃん付けしてね!」
「……う、うん……!」
私は彼女のテンションに押されながらも同じ女の子の海兵がいる事に安堵する。
ココナちゃんと少しの間、お互いの事を話した。
「えっと……他に女性は居たりするの……?」
私は期待しながら聞く。
「いないよ!私達二人だけ」
「そうなんだ……でもよかった、女の子がいて」
「あぁ……確かに女の海兵って少ないもんね!」
「うん……」
思ったとおり、ココナちゃんはすごく明るくて考える事が大胆な所があって、突拍子もない話しとかにも驚いたけど、気さくに話し掛けてくれたりして私はなんとかこの島でやっていけそうだと嬉しく思った。
(次は女の子の友人ができました)
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