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「#幼馴染」のBL小説を読む
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- ナノ -
 
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「キャプテン、今日も会いに行くの?」

「あァ」

ローはリーシャに会いに行くために船を降りるところでベポに声を掛けられた。

「本当にキャプテンその子のことを気に入ったんだね」

「気に入ったんじゃなくて惚れたんだよ」

「…何が違うの?」

ベポは不思議そうに顔を捻る。

ロ「フフッ、今度教えてやる」

ローはそう言うと地面へ飛び降りた。



*****



ローは上機嫌でリーシャの家の前に着いた。

しかし、家からは人の気配がしなかったため、ローはお構いなしにスタスタとリーシャの家の中へ入る。

――ガチャ…

「……?」

ドアをゆっくり開けてみると中は真っ暗だった。

「どうなってんだ…?」

ローはリビングへ向かっ
た。

―カチャ…

「……?!」

ドアを開けた先にはローを驚かすには十分な光景が広がっていた。

「無くなってる…」

そこにはリーシャが生活していた家具等がすべて消えていた。

「まるで引っ越ししたみてェだな……!!」

ローはそこでまさか、と思った。

「チッ…」

ローは刀を担ぎ直すと家の外へと走り出した。















「ん〜!」

私は船の長旅で疲れた体を伸ばした。

「此処が“プラトニック・ガーデン”か……」

この島は春島で周りにはのどかな風景が広がっていた。

「メェ〜」

「……わっ!び、びっくりした……」

後ろから突然鳴き声がして私はビクッとなった。

「え……、牧場?」

どうやら鳴き声の主は羊だったようで、他にも馬や牛がたくさん放牧されていた。

「……なんか親近感をかんじる……」

私は羊を見ながら呟いた。

「貴方、この島へ来たばかり……?」

「え?」

突然声が聞こえたので私は周りをキョロキョロと見る。

でも人影すらないただの緑の景色しかなかった。

「此処よ、此処。今貴方の目の前にいるわよ」

今度はその声に従い、前を向く。

「ま、まさか…!」

「ふふっ、貴方私の声が聞こえるのね?」

また声が聞こえ、私はその相手に言葉を失う。

「……あら、どうしたの?……あぁ、もちろんびっくりするわよね。私も驚いているんだもの。まさか人間と話せるなんて思わなかったわ。」

「……私、長旅で疲れてるのかな?……羊の言葉がわかるなんて……!」

私はそこで、もしやこれは悪魔の実の能力かもしれないと感じた。

「えっと……こ、こんにちは……」

「こんにちは。ようやく話してくれたわね」

「あはは……、今まで動物と喋った事なんてないですから……」

私は口を引き攣らさせながら笑った。



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