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――パクッ…

(ド、ドキドキする…!)

トラファルガーさんが料理を食べる姿を私はじっと見る。

「どどど、どうですか……?」

私がそう聞くと、トラファルガーさんは顔を私の方へ向けてニヤリと笑った。

「……うめェな」

一言そう聞くと私はホッと息をつく。

「よかった…」

その後は、トラファルガーさんは私の作った料理をすべて食べてくれたので、私は内心嬉しさを感じた。

私が食器をシンクの中に置いて、仕事に行こうとすると何故かトラファルガーさんも一緒に付いてきた。

「……」

「……飯、ありがとな」

「え、いや……はい……」

突然改めてお礼を言われて私は気恥ずかしくなった。

「まァ、お前が作ったもんなら俺は全部食べられるがな」

「……!!」

トラファルガーさんの言葉に私はカァッと顔が熱くなる。

そんな私を見てトラファルガーさんは面白そうにクツクツと笑う。

「ククッ……あァ、俺は此処までだな」

トラファルガーさんが言うのと同時に海軍の駐屯場が見えた。

私はすぐにハッと後ろを見た。

けれど、そこにはもうすでにトラファルガーさんの姿はなかった。
















「じゃあこの荷物は先に船の方へ運んでおきますね」

「はい、よろしくお願いします」

乗船する船の船員の人が荷物を持って行くのを見送ると、私はゆっくりと振り向く。

「この家とも今日でお別れなんだなぁ……」

私は今まで慣れ親しんだ家を見ながら呟く。

半年以上住んだこの家も今ではすっかりもぬけの殻だ。

「はぁ……」

私はふと、一瞬トラファルガーさんの事が頭に浮かんだ。

だけど、すぐにその考えを振り払う。

「何考えているの私……!トラファルガーさんは海賊なんだから……」

私は自分に言い聞かせると次の島へ向かうために乗船場へと向かった。

乗船場へ着くと、アルマ軍曹とよく話し掛けてくれた仕事仲間の海兵の人達がいた。

「え……」

「メイス。今までの勤め、ご苦労だった」

「は、はいっ」

アルマ軍曹の突然の言葉に私は慌てて返事をする。

「バレンタイン、次の島でもがんばれよ!」

「は、はい……」

海兵の仲間の言葉を聞いた後、私は乗船する。

アルマ軍曹と海兵達は敬礼しながら見送ってくれた。

私は他の乗船客達の視線を感じ、恥ずかしく思いながらも同じように敬礼した。



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