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――プルプルプル…ガチャッ

「あ、ランちゃん…?」

『あら、リーシャからから掛けてくるなんて珍しいわね?』

「う、うん……」

私はまだランちゃんに悪魔の実の事を言っていない。

そのことで、私は話を切り出すことを躊躇しているとランちゃんから切り出してきた。

『もしかして、三ヶ月前ぐらいからリーシャの様子がおかしかった時のこと?』

「!……な、んで……」

私はランちゃんに気づかれていた事に驚きを隠せなかった。

『当たり前でしょ。何年の付き合いだと思ってんのよ?』

「うん……そうだね」

ランちゃんには敵わないなぁ…。

私は意を決して、三ヶ月前に自分に起きた出来事をすべて話した。



*******



『そう……そんな事があったなんてね……』

最初はランちゃんも驚いていたけれど、その後はずっと黙って聞いてくれた。

「き、嫌いになった…?」

私は悪魔の実を食べた事でランちゃんに拒絶される事が怖くて、ずっと話せずにいた。

『……何言ってるのリーシャ……!』

私は突然怒鳴られて体がビクリと跳ねる。

「ご、ごめんなさいっ…!」

私は咄嗟に謝った。

「もう!なんで謝るの?!私達は親友なんだから!私はずっとその事を黙っていた事に怒ってるの!それに、私はぜ〜ったいにリーシャを嫌いになることは何があってもありえないのよ!」



「っ……、ランちゃん……」

私はランちゃんの言葉に涙が出る。

そんな私にランちゃんは、

『それに、“ウシウシの実”……だったわよね?ということはリーシャの人型は羊の姿……』

私は突然ランちゃんの声色が変わった事にまさかと感じた。

『そんなのって……最高じゃない!!』

「あの……ランちゃん……?」

私の予想通り電伝虫の目がハートに変わる。

『リーシャのセクシーかつキュートなモコモコした姿…あぁっ、想像しただけでも幸せっ!』

ランちゃんは興奮しながら喜んでいた。

「あはは…ありがとう…」

私は苦笑いする。

それから私は一晩中ランちゃんに色んな事を質問された。












「え……移動、ですか……?」

それはいつものように駐屯場へ出勤した日の事。

アルマ軍曹に呼び出された事を不思議に思った矢先の言葉だった。

話を聞けば、仕事先が移動になったと言われる。

「あぁ、そうだ」

「いつ、ですか……?」

「一週間後だ」

「えっ?!一週間……!」

あまりに急な話に私は驚きを隠せなかった。

「一週間後に迎えの船が来る。それまでに準備をしとくように」

私はこれも海軍の仕事だと思うとため息が出た。

「……わかりました」

私は一礼して部屋を出た。





***






『え?移動……?』

「うん……結構急な話だから私もびっくりしてて……」

その日の夜、いつものようにランちゃんに今日の事を話した。

『はぁ……上も何かと勝手よね……』

「仕方ないよ……私は下っ端海兵なんだし……」

私が諦めながら呟くとランちゃんは突然声を張り上げた。

『世の中はおかしいわ!なんでリーシャが下っ端なのよ!私ならリーシャを即、大佐にするわ!!』

私はランちゃんの無茶な発言に笑う。

「ふふ………ありがとうランちゃん」

『リーシャ……』

元気付けられた私は姿勢を正し、

「私、次の島でも頑張るね!」

と言った。

『!……、うんうん!頑張れリーシャ!!』

「うん、ありがとうランちゃん!」

私達はお互い笑いあった。



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