02
トラファルガー・ロー率いるハートの海賊団は今、夏島である小さな島に来ていた。
「キャプテン、この島本当に小さいね?」
トラファルガー・ローに話かけたのはクルーの一人であるベポ。
俺達がこの島に来てすでに三日経っていた。
「あァ、そうだな…」
俺はベポの言葉に相槌をうつ。
この島は小さいにも関わらずログが溜まるのに一ヶ月かかるらしい。
まだ三日目だというのにやることがもうほとんど限られていた。
正直退屈だ。
「あっ!ねぇキャプテン、あそこのアイスクリーム買ってきていい?」
ベポが指を指した場所にはアイスクリームパーラーがあった。
「かまわねェが、俺は先に行ってるからな」
そう言うとベポはアイアイと嬉しそうに返事をしてパーラーの方へ走って行った。
先に行く、とは言ったものの得にすることがないため、俺はただフラフラと歩いていく。
その時ちょうど路地裏に繋がっている場所を通り過ぎようとした時だった。
微かに女の声が路地裏から聞こえてきた。
いつもならどうでもいいと思ってそのまま素通りするが、今はちょうど退屈していたところだ。
タイミングよくできた暇つぶしに口元が上がるのを感じた。
そして、路地裏に向けて足を進めた。
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