21
「暑い…」
今日は私が町を巡回する当番で、てくてくと太陽がギラギラと照っている中歩いていた。
今は炎天下で汗が出て服がベタベタだ。
歩き疲れた私は近くにあったベンチに座った。
ストンと座り、少しボタンを外し帽子を脱いでパタパタと扇ぐ。
「ふぅ〜…」
――息付いた時だった。
「あ〜!!」
――ビクッ
突然大きな声がして、それに驚きながら後ろを見る。
そこには指をこっちに指しながら私を見ている白クマとキャスケット帽子を被っている人がいた。
「……?」
何処かで見たような気がする……。
「……あ!」
私はしばらく考えた末にようやく思い出した。
確かこの前、トラファルガーさんと一緒にいた人達だ。
私が考えている時、その二人がこっちに向かってきた。
「え?え?」
どどど、どうしよう…!
私強くないのにっ!
私は何がなんだかわからなくなって涙が一粒ポロリと流れてしまった。
「「……?!」」
二人はそんな私を見てギョッとしていた。
「え、えっと…あ、そうだ!ア、アイス買ってきてやるから泣き止め!なっ?!」
キャスケット帽子の人はそう言うとアイスクリームパーラーに走って行く。
白クマの人はというと、私の隣に座ったかと思うと、背中をポンポンと優しく叩いてくれた。
私はその行動にびっくりして涙がピタリと止まる。
それからすぐにキャスケット帽子の人がアイスクリームを二つ持って帰ってきた。
「ほらよ、あんたの分にベポの分も買ってきてやったぞ」
「わぁ〜い!ありがとシャチ!」
「あ、ありがとうございます…」
すごく複雑な気持ちだった。
キャスケット帽子の人は私の隣に座る。
今の私の状況は両方から挟まれるように座っている状態になっていた。
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