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18改稿


友人の事が新聞に乗った夜の事だった。
今日は色々ありすぎて疲れてしまった。
トラファルガーさんの言葉に、友人のこと。
疲れているのに、眠れないという矛盾にため息が出る。
ベッドに俯せになりながら、もんもんといろんなことがループしていると、突然家のでんでん虫が鳴った。

―プルプルプルプル…

こんな時間に誰なのだろうか?

疲れきった体をそのままにでんでん虫に手を伸ばす。

―ガチャ…

「はい、もしも『リーシャ!』」

私の言葉を遮って聞こえてきた声の主は。

「ランちゃん?!」

なんと今日の新聞の一面に載っていた友人のランちゃんだった。

突然のことで疲れていることなんて忘れて、バッと体を起こす。

『リーシャ、昨日は電話できなくてごめんね!』

「ううん、そんなことよりランちゃんが無事でよかった…っ」

私は嬉しくて涙が出た。

『あったりまえよ!私を誰だと思ってるの!それに可愛い可愛いリーシャを置いて死ねるわけないでしょ!』

相変わらずランちゃんは心強いなぁ。

じゃなくて。

「だ、だから私はかっ可愛くないってば!」

ランちゃんのもう何回目になるかわからない言葉に顔を赤くする。

昔からランちゃんは私をいつも可愛がってくれた。

なんでもランちゃんに言わせると、「リーシャLove!」だそうだ。

今でもでんでん虫を見てみると、周りにハートが乱舞していて、でんでん虫の目がハートに変わっている。

私達は毎日毎日欠かさずに電話をしていた。

けれど新聞でランちゃんのことを知る前日は連絡がなかったから、仕事で忙しいんだと思ってあまり気にしなかったから、余計にショックを受けたのだ。

『まぁまぁ!でんでん虫が照れているところを見るとリーシャの顔は真っ赤ね!』

「うぅ。あっ!」

楽しそうに話すランちゃんに赤くなりながらもハッとなる。

「そ、そんなことよりランちゃん誘拐されたって新聞に載ってたけど大丈夫なの?!」

危うく忘れるところだったが、確かに新聞にはランちゃんがキッド海賊団にさらわれたと書かれていた。

『そうなのよ〜!なんかいきなり担がれて、おれの船に乗れ、とか言われてそのまま連れ去られたのよ!』

「酷い事とかされなかった?!」

なにせ新聞でよく一般市民に危害を加えるということが書かれているからだ。

『あははっ!大丈夫よ、何もされてないから』

「よ、よかった!」

ランちゃんの言葉にホッと息をつく。

『リーシャに心配してもらえるなんて…最高ね!!』

「ラ、ランちゃん…」

海賊に誘拐されたというのにランちゃんはマイペースだなぁ。

『それにしても…リーシャとの電話を一日分ボツにしてくれた、あの赤チューリップは許せないわね…』

「あ、赤チューリップ…?」

こちらのでんでん虫が笑顔で黒いオーラを出してるよランちゃん…。

苦笑いしながら受話器を握り直す。

「でもランちゃんが無事で本当によかった」

『そうね、心配かけてごめんなさいね』

ランちゃんは黒いオーラを消して声をすぼめた。

「ううん。ランちゃんが元気なら十分だよ…!」

ランちゃんに笑いながら言うとまたでんでん虫の目がハートになる。

『っ!リーシャ!その笑顔をいますぐ写真で撮りた「おめェー、さっきらうっせェーんだよ!!」』

ランちゃんの後ろから突然男の人の声がして、ビクリとなった。



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