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17


トラファルガーさんの言っていることがよくわからなかった。

それが顔に出ていたのか、彼ははまた口を開く。

「なんとなくだが、元気がねェと思ってな」

私はトラファルガーさんの言葉にやっとのことでピンときた。

「心配してもらえることは嬉しいです。けれどこれは私の問題ですから」

おそらくトラファルガーさんは、何か悩んでいると心配してくれたのだろう……。

だが、自分達はただの他人で、海賊と海兵。

そう言うと、トラファルガーさんは何を思ったのか、私の頭に手を乗せてポンポンと軽く頭を叩いた。

その手つきがとても優しく感じ、驚いて固まってしまう。

そのまま、私の頭に手を置いたまま耳元に口を近づる。

「まァ、何に悩んでんのかは知らねェが―」

最後の言葉を聞いた瞬間、相手の肩を押す。

簡単に離れ、後ろを向かずにその場から走り続けた。

しばらく走っていると、海兵達の姿が見えた。

「何やってたんだ!メイス!」

「す、すいません道に迷ってしまって」

我ながらおかしいと感じたがなんとかごまかせた。

「そうか…それはそうと顔が真っ赤だが大丈夫か?」

「え、だっ大丈夫ですっ!」

慌てて手を振る。

本当は大丈夫なんかじゃなかった。

だって、心臓はバクバクと鳴っていて、体中が熱い。

原因はもちろん、トラファルガーさんが最後に私の耳元で言った言葉だ。

その言葉を思い出しながら、海兵達と再び現場へと向かった。

(“何に悩んでんのかは知らねェが……俺はお前の笑った顔の方が好きだ”)

ずっと残り続けてしまった。




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