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私はピタリと止め、白くまをジッと見た。
(この白くまさんも間違えて悪魔の実を食べちゃったのかな…)
私がそんな事を考えているとトラファルガーさんが口を開いた。
「ベポ、何言ってんだ」
「だってその子、キャプテンのこと怖がってるから…」
「自分の女を泣かせたりしない」
「っ!」
今の言葉に顔が熱くなった。
というか、私は貴方の女じゃないんですけど!?
あわあわしていると、ペンギンとロゴが入った帽子を被っている人が私達に近づいてきた。
「船長、今のうちに行きますよ」
男の人がそう言うとトラファルガーさんはチッ、と舌打ちをする。
(こ、怖い…!)
私がそう思っていると彼はこっちへ向いた。
「また会いに来る」
――チュ…
トラファルガーさんの言葉と同時に私の額にリップ音が聞こえた。
「っっ…!」
額に口づけられたと気が付いた時には、彼らはすでに遠くに見えていた。
「い…今」
額を抑えながらヘタリと地面に座り込む。
――その時。
アルマ「メイス!!」
突然名前を呼ばれてバッと振り向いた。
「あっ…!!」
アルマ軍曹とバラバラになった海兵達がこちらを見て叫んぶ。
「これをどうにかしろ!!」
そう言われた後、私は慌てて立ち上がり、急いで海兵達の体を一つ一つくっつける。
あまり触りたい物ではなかったが、ここは我慢だと思い、私は頑張って海兵達の体をくっつけることに集中した。
海軍と二つの海賊がぶつかったバラバラ事件から三日経つ。
あのあと私達はお互いのバラバラになった体をなんとか全員くっつけた。
あの後怒られると思っていたが、以外ににもアルマ軍曹にお礼をいわれた。
「メイス、今回の件についてはよくやった。お前がいなければ我々海軍は民間人達の笑い者になっていただろう。感謝する」
言い方はアレだったが、とても嬉しかった。
それに、今回の事件でヤード海賊団を捕まえられた。
でも、私はトラファルガーさんが全てしたような感じがしたので、ヤード海賊団を捕まえられた事に関しては喜んでいいのか複雑な気分だった。
だが、あの時の額のキ、キスは今でも思い出すと恥ずかしくなる。
顔が赤くなりながら歩く。
今日は海軍の仕事が非番で一日中好きな事ができる。
なので、お気に入りのアイスクリームパーラーへ向かう。
今しがた、キスの事を思い出したせいで赤くなった顔の熱を冷まそうと道を急いだ。
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