家に着くと、さっそくそのうずまき模様の果物を切って皿に盛りつける。
「ふふっ。いただきます」
ソレを口に入れた。
「!!!ーーうっ!」
その味は最悪だった。
もっと詳しく言うなら、この世のモノとは思えない味。
でもせっかく貰ったモノを捨てる訳にはいかず、私は泣く泣く最後まで全部食べた。
その後私は色んな意味で疲れ切った体をベッドへ預ける。
そして睡魔が私を眠りの世界へと導いた。
***
「ん。寝てしまったんだ」
私が目を覚ますといつの間にか朝になっていた。
「あ、れ?」
起き上がろうとするとお尻と頭に何か付いているような違和感があった。
恐る恐る頭に手を置く。
「?!」
手にゴツゴツした何かが当たる。
慌てて私はベッドから降り、鏡の前まで走った。
「なに…これ…?」
そこに写ったのは―。
二つのくるりとうずまいた形の角
そしてお尻にはモコモコとした丸いシッポ。
間抜けな事に、私は昨日食べた果物が“悪魔の実”だと知る。
その日、自分がやってしまったことの重大さを受け入れられずに一日中家に篭って泣いた。
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