07
それから私はしばらく走って後ろを振り返ると、トラファルガーさんは追いかけて来なかったようで誰もいなかった。
「はぁ……はぁっ。よかった〜」
それから私はチラリとお尻の少し上にあるモノを見る。
―フワッ
そこにはモコモコした白いシッポがあった。
改めてじっくりと眺めているとやはりこれが自分のものだという実感がわかない。
何故こんなものがあるのか、その発端は三ヶ月前にさかのぼる。
その日、海軍の仕事がオフの日で、町にある有名なアイスクリームパーラーに今お気に入りの『スペシャルブルーベリーチョコ』を買いに行こうとルンルンと上機嫌で歩いていた時だった。
歩いている前方に荷物を背負ったおばあさんがオロオロと顔を動かしていたから声をかけた。
「どうかしましたか?」
お婆さんはホッとしたように笑いながら道がわからないと言われた私はすかさず道案内を申し出る。
お婆さんは嬉しそうにクシャリと笑いながらお礼を言った。
それから彼女と話ながら歩く。
どうやらお婆さんの息子さんがこの島に住んでいるらしくその息子さんを尋ねてきたということらしい。
目的の場所に着くとまたお礼を言われ、スッと差し出される。
「これは?」
『お礼です受け取ってもらえませんか?』
それはうずまきもようの果物だった。
お婆さんの言葉に嬉しくなり、それを受け取った。
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