03
『面白そうなことしてるじゃねェか』
男達は突然聞こえた声にゆっくりと振り返る。
こちらからその人物の姿は見えなかった。
「あ"ァ?なんだァお前?」
「邪魔すんじゃねェよ」
「おれに命令するな」
囲んでいる二人が相手に向かってそう言うとその人はすかさずそう返す。
その言葉が気に障ったのか男の一人が剣を手にかけて顔が見えない人に襲い掛かる。
「に、逃げてください!」
仮にも海軍だ。
私のせいで怪我をさせたなんてゆうわけにいかない。
謎の人物に向かって叫ぶ。
「……“ROOM”」
謎の人物が何か言った瞬間、襲い掛かった男の剣を持った腕が切れた。
…え…切れた!?
私と同じようにもう一人の男も目を疑うようにその現象を見ていた。
「なっ、なんだァ?!」
「フフ……」
男が驚いている間にもう一人の男も体がバラバラになった。
その光景を見たくなくて縮こまりながら目と耳を塞ぐ。
しばらくそうしていると男の人達の悲鳴が聞こえなくなり、代わりにコツコツと足音が私の前まで近づいてきた。
ゆっくりと顔を上げる。
足音の人物は今しがた助けてくれた人だろうと思い、その人にお礼を言おうと顔を確かめると私はまた泣きそうになった。
なぜならその人の姿は、肩に長い刀を担いでいて、目の下には濃い隈があり耳には二つずつピアスがあって、腕にはビッシリと青い刺青が彫られていたからだ。
それに対してピアスの人は私と目が合った瞬間、目を見開いたまま固まっていた。
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