×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

05
というわけで、相手からお金を奪い返す方法は『病気で会えないから無理、でもお金があれば手術出来る』という事となった。
リーシャでも流石に騙される訳がないだろうとシャチの考えて出したその案を一蹴したが、彼は意地になってそれで行くと言って勝手に決めた。
そんな訳で、今リーシャは風邪を引く為に色々な事をしている。

「はーっ、何かもう辞めたい……」

一人呟いても誰も反応してくれないのは、今お風呂に浸かっているからだ。
朝からお風呂なんて身体に良くないと言われているからこそ実践をして入れのだが、こんな事で何かを患うのかとホトホト辞めたくなる。
いい加減上がろうとお風呂から出て脱衣場で着替えて髪をタオルで拭いているとピリリリ、と携帯の着信音が鳴った。
画面を開くと、メールが一通来ていたので開くとロー本人から。
内容は美味しいカニを貰ったからお裾分けしたいというものだった。
カニという魅惑の代物に、脳内でカニ鍋のグツグツと煮られた映像が流れる。
少し考え、つまりは彼が家に来るという事かと悩み返信のボタンを押すか押さないかで小一時間悩みに悩む。
どうするべきかと唸っていると電話がかかってきて、ローと名前が表示されていたので対応する。

「もしもし」

『メール見たか?』

「すいません、たった今見たので」

『そうか、カニをそっちに持って行くんだが、ついでに鍋もしようかと思ってる』

「え?……私もカニ鍋をしようかと思ってました」

『くくく、同じ事を考えてたんだな……材料はこっちで買っておくから、お前の家に行っても構わないか?』

「……わかりました。お待ちしております。住所は分かりますか?まだ言ってなかった気もしますが」

そういえばそうだな、と気が付いたように口にしたローに住所を教える。
この詐欺師を詐欺る計画を遂行したら電話番号から住所まで全部変える事になりそうだ。
その時はシャチに領収書を送ろうと決めた。


prev next

bkm [ top ]