06
そして、彼女と出会って五日が過ぎた日の夕食の時のこと。
「おい、ベポ」
シャチに呼ばれ顔を向けた。
「最近よくリーシャっていう子と遊びに行ってるんだってな?」
シャチがニヤニヤしながら聞いてきた。
「うん!明日もリーシャと遊びに行く約束してる」
「ん?……明日は確かベポが船番だったはずだが……」
「あっ……どうしよう……」
「明日は俺ら暇だし、伝えに行ってやるよ!」
「お前はの場合は単に顔が見たいだけだろ。船長はどうします?」
「……行く」
ローにしては他人に興味を持つのは珍しかった。
(どんなヤツか見ておいた方がいいか……)
「じゃあお願いね」
ローの考えを知る由もないベポはルンルンと船を降りていった。
次の日の昼──。
ベポが言っていた喫茶店にやって来た、のはやって来たが誰が店の中に入っていくか決まっていなかったので三人はまだ店の外にいた。
「んで、誰が行く?」
「お前が行けばいいだろう?」
「いや……なんつうか俺は顔見るだけでいいっつーか……」
といったようになかなか決まらない。
「……俺が行く。刀持っとけ」
「えっ?!」
シャチが声を上げればローは二人に刀を押し付け店の中に入って行ってしまう。
「なんか今日の船長って行動が珍しいよな」
「あぁ……」
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