ホーキンスの予言
それはまだ私とローさん達と出会う数ヶ月前の話。
旅をして辿り着いたのは砂漠がよく見えるカラカラとした町。
いつものように自分の寝所とする宿を探していた。
「そこの女」
「……私、ですか?」
フードを被っているのによくわかったものだ。
振り返るとそこには長身でスラッとした派手な服に、首元には十字架のタトゥーがある金髪で長い髪の男の人が木箱に座っていた。
その周りには仲間らしき人達。なんとも不思議な雰囲気だ。
絡まれるのかと思い気や何故かカードを取り出し始めた金髪の人。
そしてツルのような植物がカードに引っ付くというマジックのような光景を目の当たりにする。
「………」
「………」
私も相手も黙ったまま相手のみ何かを進める。
本当に何がしたいのだろうか?
立ち去った方がいいと判断した時、金髪の人の動きは止まり再びこちらを見つめてきた。
「なんでしょうか?」
「出会いの相が出ている」
出会いの、相?
意味のわからないことを言う。
顔をしかめていると突然金髪の人の隣にいた黒髪で髪が一束にまとめている人がこちらに向かって怒鳴ってきた。
「貴様!船長の言葉が信じられないのか!」
私はびっくりしながらそんなことを言われても、と困惑する。
信じられる根拠がどこにあるというのか。
「えと……わざわざ伝えて下さってありがとうございました……」
ここは作り笑いで済ませなければと感じそそくさとこの集団から離れるために足を動かす。
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