05
ベポは朝からそわそわしながら「やっと会える!」と喜んでいた。
昼近くになると時計をチラチラ見ているのを見てローは待ちきれないんだな、と察する。
「じ、じゃあ行って来るね!」
ベポはそういうと走って出て行った。
その様子をペンギンが嬉しそうでしたね、と笑いながら言ってきたのでローも口の端を上げながら相槌を打った。
リーシャは今、二日前にベポと出会った喫茶店での約束の為に待っていた。
しばらくすると、扉が開く音が聞こえ振り返る。
「リーシャ!」
ベポは走って来たのか息が少し上がっている。
「お久しぶりです、ベポさん」
ベポはアイアイ!と言って笑う。
こんな風に誰かと会話をするのが久しぶりだからとても嬉しい。
それからベポに何処か行きたい所はあるか、と聞けばキラキラとした目でアイスクリームが食べたい、との要望だったのでアイスクリームのお店に向かうことになった。
お店に着くとベポに何味が食べたいのか聞く。
「う〜ん……チョコレートもいいけどイチゴも……」
真剣に悩むベポを見てリーシャはクスリと笑った。
「じゃあ、私はチョコレートにしますから、ベポさんはイチゴにして、二人で半分ずつたべましょう」
「えっ?いいの!?」
「はい、もちろんです」
リーシャがそういうとベポは「リーシャ大好き!」と言って抱き着いてきたので抱き付き返す。
それからも色々な店を回った。
「たくさん回りましたね」
「ああ、疲れたな」
空の夕日は沈みかけていた。
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