その次の日も、クルー達の勧誘が続いたが、私は首を縦に振る事はなかった。
そんな日の昼過ぎの事。
「リーシャ」
名前を呼ばれ振り返ると、そこには本を手に持ったローさんがいた。
「どうかしましたか?」
私はローさんと最近話していなかったから、不思議に思いながら返事を待った。
「ちょうど休憩しようと思ってたんだが、一緒にどうだ?」
ローさんのお誘いに私は喜んで、もちろん構いませんよ、と言い2人で食堂へ向かった。
「明日は晴れだといいですね」
「そうだな」
私達の他にはコックさんしかいない食堂で、コーヒーとココアを飲みながらたわいもない話をしていた。
「それでベポさんと一緒にお昼寝をする約束をしてるんです」
私がほとんど一方的だが、何か話すとローさんは必ず相槌を打ってくれることが嬉しかった。
「それは楽しみだな」
「はい、楽しみです」
私がそう答えるとローさんは口角を上げながらコーヒーを口に含んだ。
「……なァ、リーシャ」
トラファルガーさんは話が終わると、聞きにくそうに口を開いた。
「はい?」
(なんだろう?)
私はトラファルガーさんの、さっきとは違う空気に戸惑いながらも彼が口を開くのを待った。
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