オオカミに言っても無駄だと思ったが、一応礼は言っておこうと思いそいつを探す。
だがいつの間にかどこにもいなくなっていた。
俺は気配もなにもしなかった事に驚きながら波の音に向かって歩き出した。
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「そんなわけで船に戻って来れたってわけだ!」
俺が話終わると、3人は無言で俺を見ていた。
「俺だって信じられないんだよ!」
俺はやけくそに言うと、ベポが3人の中で一番に口を開いた。
「そのオオカミって賢いんだね」
最初の言葉がそれかよ。
俺はベポらしいな、と思いながらそうだな、と言った。
「まぁ、最終的に助かったからよかったという事か……」
ペンギンがそう言うと船長に顔を向ける。
船長は手当が終わったようで椅子に腰掛けていた。
「……そのオオカミについては気になるが今は安静にしていろ」
船長は俺に言うとペンギンとベポに行くぞ、と言い3人は医務室を出ていく。
その後タイミングよくリーシャが来て、ココアを持って来てくれた。
この不思議な出来事は一生忘れられないだろう
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