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空が月の光でしか見えなくなった頃―――。
見張りの声が船の中に響いた。







「シャチが帰ってきたぞォー!!」



その声を聞いた俺やクルー達は急いで外へ向かった。
外へ出ると船の端を乗り出すように見ているクルー達と混ざるように俺も森の方へ目を懲らした。
そこには森から出てくるシャチとその体を支えているクルー達が見えた。





*****






「……ペンギン」



やがてクルーに支えながら俺の前にきた。
俺は密かに安堵するとシャチの頭をシバいた。



「いってェ〜!俺怪我人なのにっ……!」

「心配かけた罰だ」



俺がそう言うとシャチは俺がシバいた所を抑えながら、へらりと笑った。



「……悪かった」



悪かったと言いながらも呑気に笑っているシャチに少しだけ意表を突かれた俺はもう一度シャチの頭をシバいといた。



「いてっ、意味わかんねェーし!」



いつものように突っ込んでくるシャチに俺が適当にあしらっていると、



「シャチさん」



声のした方へ向くと思っていた通りそこにはリーシャが立っていた。



「おう、リーシャ!」

「大丈夫ですか?心配しました」



リーシャはふわりと笑いながらシャチの前にきた。



「当たりま……いてっ!」



当たり前とシャチが言おうとした時、ペンギンがシャチの腕を握った。



「大丈夫じゃないだろ。傷はそこまで深くはないが」
「ははっ……」



シャチはペンギンの言葉にバレてたかと呟いた。
3人がそんなやり取りをしているとふいにコツコツと足音が近づいてきた。


「船長……!」


歩いてきたのは船長だった。
船長がシャチの前まで来ると、あのお馴染みのニヤリとした不適な笑みをしながらシャチを真っ直ぐ見た。


「よく無事だった、シャチ」


船長がそう言う後ろにいるクルー達がわぁっと歓声を上げた。


「っ……!はいっ!ただいま戻りましたァ!!」


シャチは泣きながら笑っていた。





***




しばらくしてクルー達の歓声が収まった頃、ローさんが声を発した。


「ベポ」


ローさんが呼ぶとベポさんが扉を開いてキャスケットさんの元へ近づいた。


「アイィー……シャチ……」

「あ、ベポ!お前無事だったんだなっ!良かったぜ」


シャチさんがそう言いながら、にかっと笑うとベポさんはわぁっ、と泣き出した。


「うわぁん!シャチぃ!」


ベポさんは泣きながらシャチさんを抱きしめた。


「ぐァァ!ベポっ、お前力入れすぎだっ……!!」


シャチさんとベポさんの様子にクルー達やペンギンさん、それにローさんも。




そして私も笑った


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