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リーシャはコップのふちを触りながら、ゆっくりと話し始めた。
「はい。ベポさんを止めた時は船長としての責任でローさんはあぁ言わざる負えなかったと思います。でも今は、トラファルガー・ローとしてシャチさんの事に責任を感じいますよね」
「………」
彼女は疑問形ではなく固定としてそう言った事に内心驚いていた。
「もしも、ベポさんがあのまま出て行っていれば、無事では済まないと私も思いました。それに、あの時のベポさんはほとんど耳を貸すような状態ではなかったですから止めるにはあぁいう言い方は、仕方がなかったと、私はそう思ってます」
「あの言葉がか?」
俺は残虐だとよく言われる。
だから彼女にその意味を含めた笑みを見せると、
「ふふっ、言い忘れていました。」
彼女はなんでもないという風に笑った。
「ローさんがあんな言葉を言ったのは自分を悪者にするため、なんですよね?」
彼女は悪戯が成功したとでもいうような笑みを見せる。
俺はそんな彼女にただ目を見開く事しかできなかった。
確かにあの言い方だと俺にクルー達の負の感情がすべて向けられる。
それに、
「それに、ベポさんは責任をとても感じています、だからベポさんの悲しみを減らせる事ができるから、ですよね?」
「………」
驚きで声がでなかった。
思っていた事がすべて、掠りもせずに言い当てられたからだ。
彼女は俺の様子にまた笑うと空になったコップを持ち直し、お邪魔しましたと言って部屋から出ていった。
すべてを見透かす
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