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私達が船へ戻ってから2時間程経った頃、傷を負ったベポさんが戻ってきた。
今は怪我の手当も終わり、何があったのかを説明した。


「俺達、大きなワニみたいな奴に囲まれたんだけど、数が多かったんだ……」

「……それで戦っている間にはぐれてしまったというわけか……」

「うん……」


ベポさんの話をまとめると、ベポさんは仕方なく自分が帰ってきたと話した。


「俺が……俺がもっとしっかりしていれば!」


ベポさんは悔しそうに目に涙を浮かべていた。


「数が多かったんだ、お前のせいじゃない」


ペンギンさんがそう言うとベポさんは目をごしごしと摩って勢いよく立ち上がった。


「俺……やっぱり探しに行く!」


その言葉にペンギンさんは慌ててベポさんの肩を掴んだ。


「無理だ。もうすぐ夜になるし、お前だって怪我をしている」


ベポさんはペンギンさんの言葉ですら耳に入っていないのか、ひたすら足を動かしていた。


「ベポ」


今まで無言だったローさんが聞いた事のない声で言葉を発した。


「お前が行って、本当に助けられると思っているのか」

「そ、それは……」

「それにだ、この島の大きさすらかわからねェのにどうやって探すんだ」

「お、俺の鼻なら」

「無理だな。いくらお前の鼻でも限度がある」

「っ……!」


ついに押し黙ってしまったベポさんにローさんは構わず続けた。


「それに、仮に見つけられたとしてもシャチが怪我をしていたら、怪我をしているお前がどうやってシャチを守りながら船に戻って来れるんだ」

「!!」


ベポさんはローさんの言葉に目を見開いた後、また目から涙を流した。


「お、俺っ」

「明るくなればすぐにシャチを探しに行く。お前らも準備しとけ」


ローさんはクルー達を見るとベポさんに顔を向けた。


「ベポ、お前は部屋へ戻れ」

「アイアイ……」


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