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33


しばらく歩いていると突然ローさん達が立ち止まった。


「どうしたんですか?」

「……囲まれている」

「!」


その言葉に私は周りを見
回した。


「暗くて見えませんね…」

「多いな」

「気配からしてかなり大きいですね」


ローとペンギンはリーシャを囲むように動いた。


「リーシャ、俺達から離れるな」

「はい……」


私がそう言うのと同時に、しげみの中から数十匹はいるであろう、獰猛そうな肉食獣達が出てきた。


「お、大きいです…!」


私達の数倍はある。


「船長いけますか?」

「当たり前だ」

「そうですね」


ペンギンとローは互いに目配せをした後、ローは手に持っていた刀をスラリと抜いた。




***




ローさんが片手を前に出して“ROOM”と呟くと、私達の周りを薄い膜のようなサークルが囲んだ。


「!……これは」

「大丈夫だ」


ペンギンがそう言った後、ローさんを見ると彼はニヤリと笑いながらこう言った。


「気を楽にしろ、すぐに終わる」


その言葉通り、一瞬で片が付いた。
肉食獣達はローさんが刀で空気を切った瞬間、まるで本当に切ったかのように体がバラバラになった。
その後も普通に動いていたが。
ローさんは刀を鞘にしまうと船に戻るぞ、と言ったので私達は元来た道を歩き始めた。


「あの、さっきのは一体……」


横にいるペンギンさんに聞いた。


「さっきの事は……、船長は悪魔の実の能力者だ」

「悪魔の実…!」

「そういやまだ言っていなかったな」


ローさんはニヤリと笑いながら私達の方へ向いた。


「はい…確か、超人的な力が手に入る代わりに海に嫌われる、と聞いた事があります」

「その通りだ。つまりは俺が海に落ちれば死ぬ」

「そうだったんですね……」



私はローさん以外で能力者を見たことがなかった。悪魔の実を食べた者が海に嫌われるというのは本当だったらしい。



***




私達が船へ戻ってくると見張りのクルーがやって来た。


「予定より早かったですね?」

「あァ、途中で獰猛な肉食獣が襲ってきたから早めに切り上げたんだ」


ローさんが説明するとクルーは驚きの声を上げた。


「ベポとキャスケットは戻ってきているか?」


ペンギンさんがそう言うとクルーは首を横に振った。



「そうか……」



ペンギンさんがそう呟くとローさんはクルー達にこれからの事を指示した。






私は所詮傍観者である事に変わりはない


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