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――ザッザッザッ



「凄いですね…」

「あぁ……、足場が悪いから気をつけた方がいい」

「わかりまし、わっ!」



――ズリッ



言ってるそばからこけてしまった。
と思ったがローさんが腕を引っ張ってくれたからこけずにすんだ。



「大丈夫か」

「す、すいません…」



お礼を言うとローさんはフッと笑って、行くぞ、と言った。









***










「それにしても本当に何もないですね…」

「無人島だからな」



二人でそんな事を言っているとローさんが何か思い付いたようでニヤリと笑いながらこっちへ向いた。



「もしかしたら出るかもしれねェなァ……」



ローさんの言葉の意味がわからなくて私は何がですか、と聞いた。



「そうだなァ……、この世の者じゃないやつ、とかな」


ローさんがニヤリと笑いながら言うとペンギンさんからため息が聞こえた。



「船長……」



呆れたようにペンギンはローを見た。
一方のリーシャはローの言いたい事をやっと理解する。
そしてリーシャは確かに幽霊とか出てきそうですね、と笑いながら言った。
するとローはリーシャの反応に笑うのをやめて、驚いた顔をする。



「どうかしましたか?」

「いや……、怖がらないんだな」



その言葉を聞いた私は苦笑いした。



「俺も怖がるかと思った」




ペンギンさんも帽子で表情は見えないが言葉に驚きを含んでいた。



「ペンギンさんまで……、私は幽霊とか目に見えない物は信じないですよ」



私が言うと二人は確かに、と納得する。
私は二人の反応が可笑しくて笑うと二人も一緒になって笑った。






だって私はそれよりも怖い物を知っているから


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