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28


私はご飯を食べ終えた後、特別に女性だということで与えてもらった個室のベッドに腰掛けていた。私はふと、まだ次の島の事を聞いてない事に気が付き、ローさんの所へ尋ねに行こうと立ち上がった。





*****







―パタン



俺は読んでいた医学書を閉じ、ベッドに座り直した。



―コンコン…



「誰だ」

「私です」

「リーシャか、入っていいぞ」



俺が許可を出すと扉が開いた。



「失礼します」

「どうかしたか?」

「次の島の事なんですけど……」



あァ、そういうことか。



「次の島は無人島だ。そこに着くまで最低3週間はかかる」

「そうですか、3週間……」

「その次の島まではまだかかるな」

「わかりました、ありがとうございます……」



リーシャはそう言うと俺の部屋を静かに出ていく。
その後の俺はリーシャの言葉を思い出していた。
やはりリーシャを船に載せたまま出航させるべきではなかったのだろうか。
俺はそこで我に帰り、その考えをすぐに振り払った。



「何を考えてんだ俺は……」


自分に言い聞かせるように言うと、再び本に集中させようと本を手に取った。





***





ローさんから次の島について聞いた後、部屋に戻ろうとした時、ちょうどベポさんが前からやって来た。



「あ!リーシャ。ちょうど呼びに行こうとしてたんだよ!」

「どうかしたんですか?」



そう聞くとベポさんは急に目をキラキラさせながらコックさんがデザートを作ってくれた、と嬉しそうに話した。



「だからリーシャを呼びに来たんだよ!」

「それはぜひともいただかなくてはいけませんね」



私もニコッと笑ってベポさんと一緒に食堂へ向かう。
テーブルに付くとコックさんが自信作だ、と言って抹茶のババロアを持ってきてくれた。



「ありがとうございます」

「はははっ!そんな風に改まって言われるのは久しぶりだな!」



コックさんは豪快に笑いながら言った。



「リーシャ、早く食べようよ!」



ベポさんは待ち切れないようで、スプーンを持ちながら言う。



「ふふっ、いただきましょうか」



私が笑いながら言うとベポさんはすぐにババロアを口に入れた。



「美味しい!」



ベポさんが笑顔で言うのを見ながら私もババロアを一口食べる。
抹茶の香りがしてとても美味しかった。


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