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私達がババロアを食べ終えた時、ちょうどそこへペンギンさんとシャチさんが食堂へ入ってきた。


「二人して何してんだ?」


「おやつ食べてたんだよ!」

「へェ〜、良かったじゃねェか」



シャチさんはそう言うとベポさんの隣に座る。
ペンギンさんは私の隣に座り、新聞を開いた。



――ヒラッ


ペンギンさんが新聞を開いた瞬間、中に挟まっていた物が落ちた。



「何か落ちましたよ?」



私はそれを拾ってテーブルの上に置いた。



「あぁ、すまないな」



私は拾った物を見た時、とても驚いた。



「わぁ、この人髪が真っ赤ですね?」



それは手配書だった。



「あぁ……、ユースタス・キッドか」

「ユースタス?」

「知らねェの?」

「はい、あいにく新聞は読まないんです」



シャチさんは信じられないという顔をしたため、私は苦笑いしながら言った。



「あ〜……、だから船長の事を知らなかったんだな!」



シャチさんは納得したように頷いた。



「ユースタス・キッドは3億1500万ベリーの賞金首でルーキーの1人だ」

「さ、3億……!」

「キャプテンも億越えのルーキーなんだよ…!」

「え、ローさんもですか?」

「あァ!船長は2億の懸賞金が懸けられてんだぜ!」

「2億ですか……」



確かに気配の消し方が上手い。



「ちなみにユースタス・キッドの二つ名は、ユースタス・“キャプテン”・キッドだ」

「なんだか色々と凄いですね……」

「だろ!」

「はい。ローさんはとても強いという事もわかりました」

「そうだよ!キャプテンは強くてかっこいいんだよ!」



ベポさんは自慢げに言った。



「何をしているんだ」

「あ、キャプテン!」



いつの間にかローさんが私の後ろに立っていた。



「手配書について話していました」



ペンギンさんはローさんに手配書が見えるように前に掲げた。



「ユースタス屋か」



ローさんは手配書を見た途端ニヤリと不適に笑った。



「ローさんはこの人を知っているんですか?」

「会った事はねェがな」

「やっぱり有名な人なんですね」

「俺より賞金が上というのが気に入らないけどな」

「ローさんも十分高いと思いますよ?」



私がそう言うとローさんはフッと笑った。



「高みを目指すにはもっと強くならねェとこの先は生きていけねェんだよ」



その言葉と同時にシャチさん達も真剣な顔で頷いていた。
私はそれを見てローさんの度量の大きさがどれほどか伺えた。





それと同時に羨ましく思った


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