21
―ザザァーン…
波の音が聞こえる……。
ゆっくりと瞼を持ち上げた。
此処はどこだろう。
天井には見覚えがあるが少し違って見えた。
首を横に動かすと私は驚いた。
なんと私のすぐ隣に椅子に座っているローさんがいたからだ。
なんで、と混乱している頭で考えると、私は撃たれたことを思い出した。
またローさんを見てみると、どうやら寝ているようで目を閉じたまま動かなかった。
私はどうしようか悩んでいるとローさんの目がゆっくりと開いた。
そして私を見て数秒後、ローさんは目を見開く。
もうローさんとは何日も話していなかったし、なによりあの夜の事があって、何を話せばよいのかわからなくて、気まずかった。
私がそんなことを思っていると、ローさんが先に口を開いた。
「まだ傷は痛むか?」
「え、あ、はい……」
以外にもローさんはいつもどおり口角を持ち上げながら聞いてきた。
「一つ言わなきゃいけねェことがある」
そう言ったローさんは何か後ろめたいことがあるような顔をしていたから、もしかしたらあの夜の事を聞かれるのかと思い、私は体を強張らせた。
「実は昨日の内にログが溜まったかんだが、お前を置いていくわけにもいかなかったし、ログも書き換えられるんで船を出航させた」
「え?」
「すまねェ、怪我もさせちまったのにな……」
「い、いえ……その」
私はいきなり過ぎて言葉が出なかった。
そんな私にローさんが何か言おうとした時、扉を叩く音がした。
「キャプテン……リーシャ、起きた?」
「あァ……入れ」
ローさんが許可すると勢いよく扉が開いた。
彼は何を言おうとしたのだろう
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