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- ナノ -
 
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この春島に来てもう二週間になる。
もうすぐローさん達がこの島を出ていく。
でももう会えない……。
ローさんにアレを見られてしまったかもしれないから……。
ベポさんは私がこなくなってどう思ってるのか。
やはり悲しく思っているのだろうか。
そんな事を思いながら私は夜の町を歩いていた。
私はローさん達に会わないためにこの町を去る準備をするためにに最後の買い出しに来ていた。
そしてフラフラと歩いているとリーシャ、と呼ぶ声が聞こえた。
まさか、と思いながら声がした方へ振り向くとベポさんが少し離れた場所から私を見ていた。
どうして……。
私は頭の中ですぐにここから離れなくてはと思い、私は素早く人がいない路地裏へ向かって走る。
そのまま奥へ進もうとした時、数人の男達の声が聞こえた。
私はゆっくりと物陰から覗くと数人の賞金稼ぎ達に囲まれているベポさんの姿があった。
私はすぐにでも此処から飛び出して助けに行きたいと思った。
けれどもし出ていっても私は彼を助けることができるのだろうか?
私はそう思いながらもベポさんが戦っている姿を見ているしかなかった。
そんな時、ベポさんの後ろにいる賞金稼ぎが銃を構えている姿が見えた。
このままでは撃たれてしまうと感じた時には私の体は動いていた。
その瞬間、私は腹部に鈍い痛みと熱を感じる。
あぁ、撃たれんだ……。
私は体に痛みを感じながらそう思った。
すぐにベポさんがやってきて、泣きそうな声で私の名前を呼んだ。
私はベポさんに大丈夫なのかを聞くと何を言っているのだと怒られた。
雨でよくわからないけれど、ベポさんは泣いていたような気がした。
だって、とても悲しそうな顔をしていたから。
私は誰かに涙を流してもらうことなんて許されないのに。
私にはその資格がないのに。






それでも貴方は泣いてくれるのですね


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