19
ログが溜まる最後の日に俺はクルー達と酒場にいた。
なのに、イライラする。
最後にリーシャを見た日から四日、あれから一度も俺達の前に姿を見せていない。
俺がなにをしたんだ。
そのことを忘れるために酒場に来たっつーのに。
そんなことを考えているとベポが先に帰りたいと言ってきた。
ベポの鼻にこの場の空気はきついのだろう。
俺はそれを許可するとベポは店を出て行った。
ベポが店を出て行くと、女達は俺の腕に胸を押し付けながら誘ってくる。
そんな中俺はリーシャのことが頭に過ぎった。
リーシャはこんな風に誘わなければ、媚びてくることもなかった。
だんだんリーシャのことを思い出してくるとまたイライラした感情が沸き上がってきた。
「……おいお前ら、俺は先に帰る」
俺の言葉の先に反応したのはクルー達ではなく女達だった。
どうして、とうるさく言ってくる。
クルー達はローが現在進行形で不機嫌なことを知っているため何回もわかったと首を縦に振った。
俺が席を立つとまだ女達は文句を言ってくるから俺はギロリと睨む。
すると女達は真っ青にさせて黙った。
クルー達は恐ろしいと思いながらもそれを息を呑んで成り行きを見る。
今のローに何か言えば、バラバラになるのは確実だ。
ローは女達が静かになると店を出た。
店から出ると俺は船に向かう。
しばらくすると雨が降ってきて舌打ちをし、どうしようか考えいると近くで銃声がした。
その直後。
「リーシャ!?」
ベポの叫び声が聞こえ、俺は嫌な予感がして、雨に濡れるのもかまわず声のした方へ走った。
そしてその場所ついた時、俺はその光景に目を見開いた。
そこには腹から出血して倒れているリーシャの姿。それを見た時、俺の体は無意識に動いていた。
「“ROOM”」
(この先のことなんて考えていなかった)
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