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18


俺達は今日でこの島を発つ。
キャプテンの機嫌の悪さはまだ続いていた。
今は夜の酒場を貸し切りにしてクルー達と飲んでいる。
皆の周りにも俺の隣にも胸を強調させた露出した服を着た女の人達。
正直俺の鼻には香水の匂いがきつくて耐えられない。



「キャプテン、俺先に帰っていい?」



真ん中に座っているキャプテンにそう聞くと、かまわねェって言われた。
キャプテンの両側には女の人がいてキャプテンの腕に体を寄せていた。



「キャプテンさん、もっとお酒飲まない?」

「キャプテンさんかっこいいわね!」

「二億の懸賞金なんでしょ?すごいわねぇ!」



女の人達はキャプテンに媚びるような声を出しながら話していた。
俺はキャプテンに許可をもらったから足速に店を出た。



「あ〜ぁ、リーシャに最後にお別れ言いたかったな……」



俺はもしかしたらこの近くにいるかもしれないと諦め半分でリーシャの匂いを探した。
すると、
なんと近くでリーシャの匂いがした。
俺は嬉しくなってその匂いを目で辿ると、フードを被っている人の後ろ姿があった。



「リーシャ〜!」



俺が大きな声で名前を呼ぶとフードを被った顔がこちらへ向いた。
その顔は紛れも無いリーシャだった。
でもリーシャは俺の顔を見た途端、驚いた顔ををして向こうへ走り出す。
俺も慌てて追い掛けた。
リーシャが路地裏に入ったところを見て俺も入ろうとした時だった。
突然体の厳つい男達が俺の周りを囲む。



「お前、ハートの海賊団のクルーだろ」



男はそう言ってキャプテンの手配書を見せる。
この男達は間違いなく賞金稼ぎだろう。
リーシャを追い掛けることに夢中になって男達に気が付かなかった。
リーシャを追い掛けなければいけないのに。
俺が戦闘の構えをすると男達が一斉に仕掛けてきた。
次々と賞金稼ぎ達を倒していくが、人数が多いので手こずってしまう。
そんな事を思っていると雨が降ってきた。
俺は考え事をしている場合じゃなかった。
早くリーシャを……そう思った時。







「ベポさ…っ!」










―バァーン!…








何か聞こえた瞬間、銃声が響いた。






俺は銃声が聞こえた方を慌てて振り向くとそこにはお腹から血を出して倒れているリーシャがいた。




ベ「リーシャ!?」




俺が駆け寄るとリーシャは雨に濡れながら苦しそうにお腹を押さえながら笑った。





「ベ、ポさ…に当たらなく、てよかった、で、す…」



ベ「よくないよ!!」





途切れ途切れに口を動かすリーシャに俺は泣きながら叫んだ。






そしてリーシャを撃った賞金稼ぎをキッと睨みつけた。





相手はまさか女の子が飛び出してくるとは思わなかったのか目を見開いて驚いていた。






その時―











「“ROOM”」








雨が降っているのにその声は何故だかよく響いた


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