12
朝、目が覚めるとそこは見覚えのない場所だった。
「(そういえば、昨日ローさんの船へ招いてもらったんでした…)」
まだ覚醒しきれていない頭でぼんやりと思い出した。
しばらくボーッとしているとドアを叩く音が聞こえた。
「はい?」
私が返事をするとベポさんが顔をひょっこりと覗かせた。
「ベポさんおはようございます」
「おはようリーシャ!朝ご飯ができたから食べに行こ」
「わかりました、すぐに着替えるので少し待ってもらって構いませんか?」
「アイアイ、わかった」
ドアが閉まると私は急いで着替えた。
着替え終わるとベポさんと食堂へ向かった。
食堂へ付くとクルー達の視線が一斉にこっちへ向いたから少しびっくりした。
するとクルー達は口々に「おはよう」や「よく眠れたか?」と声をかけてくれた。
私は海賊とは思えないほどやさしい人達だと思いながらニコリと笑って返事をした。
それから私とベポさんはシャチさんとペンギンさんのいるテーブルへ座った。
「お、リーシャおはよう!」
「よく眠れたか?」
「おはようございます。シャチさん、ペンギンさん、昨日はよく眠れましたよ」
私がそういうとシャチさんが「そりゃよかった」と言ってニカッと笑った。
つられて私も笑った。
それから私は食堂を見回してローさんが居ないことに気がついた。
「そういえば、ローさんをまだ見かけていないんですがどうしたんですか?」
「あー……船長は朝のの寝起きが悪いんだよな…」
「うん、キャプテン起こす時って大変なんだ……」
キャスケットさんとベポさんの顔がなにかを思い出したように引きつっていた。
私は一体何があったんだろうと思いながら苦笑いした。
しばらく四人で話をしているとコックさんがとてもおいしそうなスープとサラダを持ってきてくれた。
コックさんにお礼を言い、朝食を食べようと食事に手をつけようとした時だった。
―キィィ…
食堂の扉が開いた。
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