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- ナノ -
 
06


「ランちゃん!」

「おはよーランちゃん」
「おはよう。今日も元気ね」



海軍の駐屯所で子どもの元気な声がランの耳に聞こえ、振り向き笑みを見せる。
私が仕事場とするこの場所に子ども達がくるようになって大分経つ。
今ではこの子達の笑顔は、私の仕事のやり甲斐を感じる一つの目標と活力になっていた。



「お花つんできたのー」

「たくさんつんできたよ!」



はい、と渡された彩りに溢れている花を手渡される。



「ありがとう。花瓶にいれさせてもらうわね」



ニコリと子ども達に笑いかければ、もじもじとその柔らかな頬を染めた。
あぁ、凄く可愛らしいわ。
無邪気な笑みに頬が緩むのを感じた。







***







「そう。やっぱりリーシャには合わないわねぇ……」


電伝虫に向かって思いの内にあった言葉を漏らせば、親友のリーシャは苦笑と共に「仕方がないよ」と諦めに似た発言。
リーシャと言うのは、私の最高で一番の親友。
そして最高に可愛くておませな、私と同じ海兵。
まだリーシャが今だ下っ端海兵の階級なのが気にくわない。
どうして私のリーシャが下っ端なのよっ!
内心息を荒くして憤りを呟く。
海軍軍曹という立場の私にリーシャは関係なく今でも友人でいてくれることすら心のよりどころなのに。
そんなリーシャを足蹴に扱う海兵野郎がいるらしい。
それを聞くだけでムカムカするわ。
腹立たしいことこの上ない。
なんて言ったかしら……確か、アルマ軍曹という野郎ね。
女だからってリーシャを足蹴にするなんて、同じ軍曹として恥ずかしい。
今すぐ髭を引っ込抜いて、頭をバリカンで剃って全裸で張り付けにしたいわ。
ランはリーシャのことになると、過保護な性格が発動しマゾのような思考に走ってしまうことがある。
それ程、ランは可愛くて愛しいリーシャが大好きで大切で大事なのだ。
海軍としての仕事は大切だが、心の狭い思いをしているリーシャを放っておけない。
だが、勝手なことは許されない。
この際、誰でもいいから私と軍曹代わってほしいわ!
憤るランは、リーシャに電話越しに「もしもし……?」と呼びかけられていることに気づかないまま、一人己と勝負していたのだった。



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