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家を出たら、突然キラーがランの目の前に現れた事から始まって、付いて来て欲しいと頼まれ口調で何となく後を付いて行けば、そこは海賊船。
嫌だと拒否はしたがキラーがやんわりと「危害は加えない。絶対に保障する」と言ってきたので招待を受けた。
なのに――。



「どうして入口を塞ぐのかしら?」



不機嫌と殺気を込めて再度キラーに向き直ると彼は肩を竦めた。



「本当にすまない、騙して」

「騙した事は認めるのね」



タンタンと足を踏む。
イライラの証拠だ。



「ゆっくりしていけよ」

「貴方が言うと不況な予言に聞こえるわ」

「あ゙?」

「イラついた?私もイラついてるわ」



相手を挑発しつつ話を進める。



「私をどうするつもり?奴隷にするの?それとも殺すのかしら」

「ハハハ……お前が望むなら叶えてやるよ」

「冗談。少なくとも貴方に殺されるつもりなんてないわ」



ランはキッドを睨みながらキラーも見る。
その時、なんのまいぶれもなく船が揺れた。



(まさか!)



ランは嫌な予感がし扉に向かう。
その前に下っ端達を転がす。



「邪魔、よ!!」



苦労しながら倒すと一気に扉を開けて外へなだれ込んだ。
そして、絶句した。



「そ、んな……」



船は島を徐々に離れつつあった。
ランは付近を見回し海王類がいないか確かめる。
これはもう飛び込むしかない。



「っ!」



息を吸い込み水中に飛び込む。
捕まってたまるものか。
騙されて大人しくなどしているものか。
ランは頑なな決心で手を足を動かした。



「ぶぐっ!?」



そうして前に進んでいたのに、何かに引っ張られるように身体が動いた。



(あいつ……!)



短剣がガチガチと不調和を出して動いている。
すぐにあの能力だと理解すると、短剣を抜こうと身体を動かす。
しかし、いかせん水中での作業は苦戦気味だった。



(この!)



ぐらぐらと揺れる身体は意思に反して水面に出た。



「離せ!!このゲス野郎!」

「口が悪ィな」

「知ったことじゃないわ!誘拐犯!変態チューリップー!!」

「チュ!?……このアマ!殺すぞ!!」



少しずつ引き寄せられる身体は抵抗虚しく赤い閣下みたいな奴に引き上げられた。



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