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- ナノ -
 
01


「お前、俺の船に乗れ」

真っ赤な髪をした、まさに悪魔のような笑みを見せた男がいた。

「………お断り」

だが、そんな男の言葉を一人の海軍軍曹は笑顔で一刀両断した。



***



「疲れた〜……」

海軍軍曹であるランは肩をならしながら椅子にストンと座った。

「お疲れ様です、ラン軍曹」

「ん、ありがとう」

海兵がランにお茶を渡してきたので受け取る。

「例の……ユースタス・“キャプテン”キッドに怪しい動きはあった?」

「いいえ、ありませんでした」

返ってきた報告にランは「そう」と答えるとため息をつく。
実は先日、新聞を騒がせているルーキーの中で最高の懸賞金額をその首に掛けられているユースタス・キッドが、ランのいるこの島へ上陸してきたのだ。
しかも、問題は他にもある。

「ちょっと休憩してくるわ」

「お気をつけて」

「ええ……」

(気をつけられるかしら……)

ランは苦笑いしながら駐屯所を後にした。



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