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「#エロ」のBL小説を読む
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- ナノ -
17
翌日指定の時間に行くと店長に店のロゴが入ったエプロンを渡された。
それを着けると店が開店する前に手解きや手順を教えてもらう。
一通りやっていけば開店の時間になり初日のバイトが始まった。

「いらっしゃいませ」

「あれ、もしかして新人の方?」

女性にそう聞かれ常連客なんだろうな、と思いながらそうですと返事を返す。
朝も昼も来客数は変化せず常に人が出入りしていた。
足が疲れ始めた時に店長から昼御飯を取ってきても良いと言われこのバイトの嬉しい要素である昼食付きに頬が緩む。
厨房へ向かえば用意してあった様で店のコックがプレートを渡してくる。
受けとると関係者のみの休憩部屋へ行き椅子に座り無意識に深呼吸をした。
初日ながらに結構大変だったと感じ昼食を食べ、それからまた仕事へ戻る。



初日を終えてハートの海賊団の宿泊しているホテルへ戻ると同室のローが居た。

「ただいまぁー」

「どうだ、バイトは」

「疲れたしくたくただけど良かった」

くたりとソファに座り込み緩む口元にローはそうかとだけ言う。
これから一週間は働く予定なのでこれからは忙しくなるだろうと嬉しく感じた。

「俺の事は疎かにするな」

「へ、め、珍しい……ローがそんな事言うなんて……」

(もしかして寂しい!?もしかして!かわいいいい!やばいめっちゃくちゃやばいかわいい!可愛すぎる!)

久々の心の雄叫びを吐き出しながら抱き付きたい衝動に駆られる。
悶えて身体がウズウズするのを我慢しながらローを見ても無表情のままでいたので少しつまらなく感じた。
いっそ盛大に照れてくれれば三日間は美味しく悶えられるのに。
内なる自分の下心を知られたいような知られたくないような葛藤に頬が赤く染まる。

「も、もちろんローを疎かになんて、しないからさ……」

もう我慢出来なくて静かに横からローに触れる。
嬉しすぎて身体が小刻みに震えた。

(好きになる……もっと……ううう〜!)

「なんだ」

「ロー男前過ぎだなって思って」


下心を隠して一応毎日思っている事を述べて強く抱きつく。


「ね、ロー…………キスしていい?したい……よ」

「…………!」

ローにそう懇願すると驚いた顔をして次には真剣な表情をした。
徐に手を頬に宛がうとゆっくり彼の顔が近づく。
視界の端で本を置くのが見えバレないよう小さく歓喜する。
目を閉じ甘い空気に身を委ねる。
フッと触れた唇に頬が更に熱くなり啄み何度も離しては触れると早くローが欲しくて普段は自分からしないのに性急に唇を薄く開けた。

「ふ、は」

「ん」

ぼんやりと瞼を開くと目を開けたローと視線が合わさる。
それから口内に熱いものが押し入ってきて中で生めしく這う。
今日の自分は大胆だと感じながらもそれに従い普段は自分からしないことをした。
ちゅ、と音に耳が刺激されいつのも羞恥心が殆どないことに気付く。

「もっと、早く」

そう口にし自分から舌を絡めると目を見開くローの姿が見えたような気がした。
だが、次にはローが触発されたのか激しく求め先程よりも過激にキスが深くなる。

「あ、ぅ」

ついには座っているのも辛くて少し離れようと首に回した腕を緩ませ唇を離そうとするとローが頭の後ろに手を移動させ腰も引き寄せてきた事により出来なくなる。

「ふぁ、ロ、も」

もう休憩させてほしいと頼めない程貪る様にもっと深くなる口付けに頭がぼんやりとなり酸欠になる。
胸を押しやるとあっさり離れ互いを繋ぐ唾液がぷつりと切れた。
そこで羞恥心が復活して体から煙が出そうな程自分から求めた事実に動揺する。
はぁ、と酸素を取り込む間にローのかくばった手が肩を掴み体力がなくなりかけているリーシャをソファに倒す。
もうバイトと今のキスで疲れた体はいとも簡単に倒れた。
彼を見ると猛獣のようなギラついた目をしていて、舌で唇をちろっと舐めるのが見え、その手は服を下から脱がす。

「だ、だめ、もう、今日は疲れてて……!」

そう抗議してもローは胸のギリギリ下まで服を上げて、服の中から手を入れてやんわりと胸を触った。
彼を覚えている体は正直で、声が小さく洩れると男はくつりと笑う。

「俺を煽ったんだ。最後まで付き合え」

そう言うとまたキスをしてきたローにリーシャは唸るしかなかった。
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