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桃狩りがオススメの島だとパンフレットに書いていたので早速三人+αで向かう。
+αの人はローとシャチ、ペンギンにベポだ。
この中で一番やりたがっているのはベポだった。
キャッキャ、とハシャいでいる。
そんな熊とは裏腹に淡々と付いてきているローに対して何故付いて来たのだろうと不思議に思う。
やがて農園に着くと沢山の人が桃狩りをしようと列をなして並んでいた。
これだけ広いので、溢れてもぎれないなんて事はなさそうだ。

「ね、あれ、トラファルガー・ローじゃない?」

「えー?こんな所に居る訳ないでしょ」

ちらほらと気付き出した人間が居る。
殆ど半信半疑の視線だ。

「目立ってますよローさん。帰った方が良いんじゃないですか?」

「ぶざけんな。何で俺がそんな下らない理由でわざわざ引き返さなきゃいけねェんだ」

青筋を立てて面倒そうに言うローにシャチ達も何とも思っていなさそうだ。
有名人になると慣れるのだろうか。
リーシャ達の番になったのはそれから十分程してからだった。
さっさと入っていくロー達の後に付いていこうとするマイとヨーコに声を掛ける。

「別にここでは別々でも良いんじゃない?」

二人は少し笑って「確かに」と納得。
ロー達はロー達で楽しむだろう。
カゴを持って、良さそうな実を見つけると取り敢えずもいでいく。

「ん!あと、ちょっとっ」

足の爪先を立てて身体と腕を伸ばす。
微妙な所にあるのでもうこの状態で取ってしまおうと頑張る。

「んー!……あ!」

頑張っていると横から伸びてきた手が取ろうとした桃を浚っていく。
その動きを自ずと追えばローが何食わぬ顔で桃を見ていた。

「ハシゴ使えよ」

「だって、面倒でしたし」

言い訳を言うとローは桃を持ってあちこちに必ずあるテーブルと椅子のスペースへ向かう。
それを目で追っていると何故か「こっちに来い」と言われ「まだ狩りが終わってないんですが」と言った。

「来い。一度で俺の命令は聞け」

「いやいやいや貴方の部下じゃないんですがっ」

それでもローは貸しやら借りやらを持ち出してきて有無を言わせなくしていくので渋々そこへ座る。
彼の目の前に桃。

「メス」

「能力の使い方!……間違ってません?」

聞くと嫌そうに手がベトベトになるだろ、と言われまぁ確かにそれはリーシャも嫌かもしれない。

「ほら、食え」

「え?でもそれローさんが採った奴」

「お前から横取りしたの、もう忘れたのか」

覚えているに決まっている。
だが、渋っていると彼は無理矢理桃を口に押し込めてきたので慌てて果汁を飲み込む。
しかし、中途半端なまま口に入れたので上手く入らず果汁が口から伝い顎へ行く。

「おい、エロいだろ。変な事すんな」

「いえ、これは。ごくん。ローさんのせいで……拭くもの……あ、ない」

こういうハンカチ類はマイ担当でそんな乙女なものは持っていないのだ。
困っているとローが動いて目の前に迫りお約束の舌で舐めるという行動を起こす。
色々されてきたが、慣れていない事に赤面。
舌が顎から口元まで掬い舐めるのが生々しくてそのまま唇も貪るという狡猾な行いに止めを入れる。

「ふ、や、ひゃめて!」

ふがふが、となるが止めないローに肩を押す。
呆気なく離れていくローから慌てて離れると口元を拭う。
慣れても貞操概念を緩くした覚えはない。

「ちっ、誰か来る」

非常に禍々しく発言するその内容に周りを見渡すと向こうから子供の楽しげな声が聞こえてくる。

「こっちもあるぜ!」

「いえい!」

どうやら近所のわんぱく少年達のようだ。
通り過ぎるまで大人しくしていようと立っているとその瞬間にワンピースの開き、つまり太股から上にかけての部分を大々的に上げられ、所謂スカート捲りをされた。

「うわ、きゃあ!止めなさい!」

「この人白だ!」

「さっきの人は紫だったけどこの人は白か!」

あっという間にやる事だけやっていく少年達を呆然と見送ってから視線を感じてそこをジトリと見た。

「見ました?」

「……何でお前が買いそうにない下着を履いているのか疑問だ。だが」

とジリジリとこちらへ来る男を避ける為に後ろへ下がる。

「悪くねェな。脱がせるのが楽しみだ」

「いや脱がせません!」

「脱いでくれるってか?」

そういう意味じゃないと分かっているのに、男はその欲に濡れた目を向けてくる。

「こ、来ないで、わ!」

木の幹に背中を当てて、やばいと横に移動しようとするが彼が動くのが早くて先を越されてしまう。
見上げると楽しそうに舌なめずりして、色気を放出していた。

「俺も熟れた果実を収穫しようと思ってな」

ニヤリと確信犯に笑うロー。
ビクッとなる肩を掴みねっとりとキスを施してきた。
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