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35
暫し放心しているように固まったローの顔がみるみるうちに般若のように威圧感を出して歪んでいくのを目撃してしまう。

「てめェ」

「え?え?どうした、んうっ」

低いテノールに怯えて恐る恐る聞こうとすれば続く事無くキスを乱暴にされる。
その動作に目を白黒させる、彼の何かに触発させてしまったらしい。

「っ、ふあ」

いつもよりも遙かに乱暴で性急感がある。
激しいので息が苦しくなった。
悲しそうな苦しそうな瞳が垣間見えた気がする。
ローは水音をわざと響かせて唇を離すと顔をそのまま耳の所へと移動させて耳へと悪戯をした。
舌を中へ入れてこしょばくてむず痒い行為をネットリとする。

「や、め、ローさんっ」

いつもなら抵抗したら止めてくれるのに止めてくれない。
彼は耳を舐めると首へ移動して首筋へ唇を滑らせる。
それにビクッとなると彼は構わずそこへキスマークを落とす。

(もしかしてレバリーさんの事を押したのがまずかったのかな)

好きと好意を示されているのに進めたのが起爆剤だったのだろう。
息が荒くなりながらも原因を考えた。

「はぁはぁ……」

「余所見すんじゃねェ」

荒っぽい声で顎を掴むロー。

「舌を出せ」

有無を確認するような声音はどこにもなく、嫌と言わせない雰囲気に地雷を踏んだのは自分のせいだと理解していたリーシャは観念して舌をおずおずと出す。
ローは食べるように犬歯で舌を甘く噛む。

「ふ!」

ビクッとなってもちゅる、と啜る音が鼓膜を犯す。
身体が数々の行為のせいで熱くなってきた。
それを知られないように舌を生け贄にしたのだが、ローは感が良いからとっくに気付いているかもしれない。
そんな風にぼんやりと考えて目の前の行為から現実逃避する。
リーシャが考える事を放棄してしまう程脳内が溶けそうになった。
グッタリとなった頃に服を捲る感触に目を開くとローがお腹へ唇を落としている光景を見る。
力なく腕を上げて服を戻そうと動かすも阻止された。

「はあ、も、許して」

「許さねェ」

一言返されて、ローは赤い華をどんどん散らしていく。

「二度とあんなくだらない事を言わねェように後悔させてやる」

やはり怒っていたのはそれに対してだったのかと納得する。
彼は服を上へと捲り上げていく、下着が見える所まで。

「……んだよ、この下着」

この下着はマイとヨーコが「色気のない下着しかありません」と言って勝手に購入した色気のある方の下着だ。
たまたま付けていた。
ローは眉間に皺を寄せた、そんなに似合わないだろうか。
ふやけた脳で呑気にそんな事を思う。
しかし、ローはその下着の上から手で触れる。

「ちっ、ヤる予定なんてなかったのに、気が変わるだろうがっ」

一応止めてくれる予定だったらしい。
しかし、それも危うくなる発言をされて慌てる。

「予定は予定通り終わらせましょう!ね!」

ローに進言する、説得を頑張っていればローは無言でズボンを中途半端に脱がせてきた。
何て早業なのだと絶句する。

「や、止めて下さい!」

下着はセットだ。

「上を見たら下も見たくなった」

真顔でそう言われて真顔で下着を見られる。
かなり恥ずかしい状態に晒されていた。
リーシャはローの目を塞ごうとするが手も掴まれてしまう。
もがいても何も解決しないままローはボソッと「綺麗だ」と言った。
ぽかんとなる己は何とも間抜けだったに違いない。

「やべェ」

そう言ってローはリーシャを抱きしめた。
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