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柔らかくするかのように撫でられて口の中に指が侵入してきてあっさり入った。
こちらは怒っているのにふざけた態度でガリッと反抗のつもりで噛む。

「っ、ククッ」

何故か噛まれているのに笑う男が不明で気味悪く感じ離れようとしたが腰に腕がいつの間にか回っていて身動きが取れ無いようになっていた。
唖然として、それでも身じろぐ。
痛いと言うローに疑いの目が向きもっと痛くしてやろうと力を更に込めていく。

「おれが興奮してくるから止めた方が良い」

お前がかよっ。

「痛いのは嫌いじゃない。多少は必要だろ?刺激も」

「!、うわ!」

台詞に悪寒を感じて慌てて口を離す。
こういう反応が相手を助長させるのだろう。
気を付けねば。
ローから離れようと身を捩ると彼は更に力を込めてがんじがらめになる。
離して、と口してみるが彼は折角これからなのにと言い、括っている髪からはみ出る耳をそっと片手で撫でた。
擽ったさに耳を動かして手を退けようとするが距離が近すぎて意味をなさない。
離れないと小電伝虫を出して皆にチクるぞ。

「王下七武海にセクハラされましたってか。誰も信じやしねェよ」

ぐぬぬ、確かに。
てか、セクハラしている自覚があったんですね。

「解っているのなら元凶たる貴方が止めてくれれば宜しいのでは!?」

おちょくる言い方は腹立たしく、その劣情に見合った言葉を選びぶつける。
だが、相手はこちらがムカついているのを関知しているだろうに、それでも離れる事さえしない。
止めてという事は嫌がっている事なのだが、ローの事だから解っていて嫌がらせのようにやってくる。
確信犯らしく、彼はどんなに咎めても自由人の気質を体現したふてぶてしさでのらりくらりとスキンシップを図るのだ。
そのふてぶてしさは違う所で発揮してくれ。
例えば七武海が召集されるような任務とか。
ムッとした顔でいれば布の感じが腕にまとわりつき、見た時には腕がハンカチでカチカチに縛られていて、悔しさに歪む。
こんなことをして、タダで済むとは、と思っているとローはフッと笑う。

「監禁して調教してやる」

「結構ですううう!」

括られたままオンオンと泣き言を洩らしながら二人の部下が居る所へ退避。
とてとてと避難した部屋へ向かうと二人が慰めてくれて、お菓子を食べさせてくれた。
立場が逆転している、でも結果が良いので何も言う事は無し。
お菓子が美味しいので、もぐもぐ。

「リーシャさん。どうやらトラファルガー・ローの任務に付いていく事が予定に組み込まれたようです」

少し部屋から出ていたマイが言う。
どういうことなのかと聞くと、何やら女の人が多いという島に行くらしい。
貴族も沢山行く娯楽のある島らしい。
行きたくない行きたくない。
子供みたいに頬を膨らませて本部に休みをもぎ取ろうとしたけれど、却下された。

………。


こんな仕事なんて辞めてやらー!
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