79
「ルールを説明したら次はゲームの内容だ!」
バーン!と効果音付きで始まったボード説明。
口説明ちゃうんかぁーい!
と突っ込むシャチ。
「内容は水中バレーだ!勇者側は一人参加で試練に望んでもらうが、マクロ一味がゴールの道を妨害するぞ」
「異議ありいい!!」
リーシャは吐血する勢いで一気にまくし立てた。
「どう見ても水中戦不利なんだけど!?死ねって言うの!?私が死んだらてめぇに一生取り憑いてやっからなあああ!!」
鬼の形相でヒトデを呪う仕草をする。
ヒトデはあまりの気迫に蒼白になる。
「ケイミーケイミースタートの合図を……」
「う、うん」
汗をドッとかいている人魚が赤い旗を上げる。
すると、ずっとホイッスルを握っていたしらほしがピィー!と鳴らす。
「気合いで勝ってやらああ!」
リーシャはハンデで渡されたボールをマクロ一味の向こうにあるゴールへと渾身の一撃を打つ。
「恐ろしいぜボス」
「集中しろ!」
バシッとマクロがタンスイの頭を叩く。
「ゴール!」
しらほしがホイッスルを鳴らすとマクロ一味は暫し放心した。
「てめーのせいで妨害出来んかっただろうが!」
「魚人のせいにするなよ」
「うっせェギャロ!」
揉め事を起こしている一味を尻目にリーシャはロー達にピースサインを送っていた。
「フフ……流石リーシャだな」
「怒りって偉大だな」
ローは誇らしげに頷く。
シャチは勇者の力量が上がっている事に気が付いた。
「強くなってるな確実に」
ペンギンは断言した。
初期に比べると確かにリーシャのレベルは確実に上がっていっている。
そんな三人の会話を知らない勇者は再びファインティングポーズを構えていた。
「クリスタルは渡さんんん!人間舐めんなよおおお!」
「舐めたとか言ってねェよ!?」
マクロが非難の声を上げるが、すかさず次のボールを打つ。
「喰らえ!」
「二度はいかせんぞ!」
マクロはボールに向かっていく。
「ふっ……上!」
リーシャは得意顔で叫ぶとボールは方向転換をし上へ操られるように移動した。
マクロの手は掠れもしない。
「何!?」
驚愕の表情を浮かべる三人に対しリーシャは笑う。
[ back ] bkm