07
「とりあえず団子を頼みたい」
「あ、まいどー!」
自分の世界に入りかけたキャスケット帽子の人にペンギンは注文をした。
「ペンギンって大人だよね」
「そうか?まぁ色々な女と関係を……」
「黙ってくれる!?」
危なっ!
ほとんどなに言おうとしたのかわかっちゃったけど最後まで言わせなかった私さすが!
「自重してって言ったよね?」
「す、すまん……」
とびっきりの笑顔で言うとペンギンは顔を引き攣らせながら謝ったので許してあげた。
「言ってた通りだな……」
「え?何か言いました?」
「い、いや!なんでもねェよ!団子できたぜ!」
いつの間にかいたキャスケット帽子の人が何か呟いたが聞こえなかった。
けれど、そんなことを考える前に私の思考はすべて団子に向けられた。
「やったあ!」
「団子だ!食べよ食べよ!」
私とベポは飛びつかんばかりの勢いで団子を頬張り始める。
「そふいへばさづぎ」
「口の中が無くなってから喋れリーシャ」
「んぐっ――ぷはあっ!」
もぐもぐと団子を食べながら喋るとペンギンがお茶を差し出してくれたのでそれを飲んだ。
「それで?」
「キャスケット帽子の人に聞きたい事があるんだけど!」
「俺はシャチだぜ!旅のお方」
「また動物かよ」
「そういうのは思ってても言うもんじゃない」
「あ、ペンギン自覚あったんだ」
意外だわ。
「それでシャチさー」
「いきなりタメ口!?」
「え?駄目?」
「別に構わねェけど……」
不服そうな表情をしていたが私はあえて無視をした。
「シャチ、さっきから江戸時代みたいた喋り方してるよね?」
「江戸?なんだそりゃ?俺の村じゃあ普通だし」
「え、そっかー……」
残念。同じ世界の人間かもって思ったのに。
まぁ時代からして違うしね。
「あ、じゃあもしかしてシャチの村も魔王に?」
「あァ。もう女一人いねェよ」
「え!またぁ!?」
どんだけ女の人欲しがってんの!?
「まっ、あれだな」
「?」
シャチはニカッと笑い。
「毎日同じ女じゃつまらねェからだろ」
――ブチッ
「果てろ!!!」
「ゲフゥ!!?」
もう私は切れました。
何がって?
堪忍袋に決まってるでしょ!!!
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