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リーシャは暫し言葉を失う。
巨体な人魚、顔も綺麗だし装飾だってマーメイドらしい。
だが、なにより巨体過ぎた。
人間が手の平にちょこんといる程度がサイズ。
その横には小さいヒトデ。
ヒトデが動いて話している。
おまけに帽子まで被っていた。
確かホテルの彫刻に同じ形のヒトデがいたはずだ。



「しらほし様はね、姫様なんだよ!」

「マーメイドプリンセス!?」



と一番最初に叫んだのはシャチ。



「シャチ黙っとけ」

「はいローさん」



シャチはギロリと睨まれて口を閉じた。
チキンハートだな。



「ルールについて説明するぞ」



パッパグと先程言われたヒトデが得意顔で喋る。



「ヘルプは三回使えるゲームを今から始める」

「ヘルプ?」

「おーよ!お前は人間だからな。ゲームは水中でやるんだ、だからヘルプっつーハンデを設けた」

「水中ううう!?死ぬ、死にます無理です」

「早ェな。諦めるのは気が早ェよ勇者。ちゃんとクリアできるゲームだしよ」

「私五十メールも泳げない人なんですー!」

「浮輪使えばいいさ」

(浮輪とか沈没するじゃん!)



泣く泣くプールの中に入るリーシャ。
するとまたもや水面がボコボコと膨れ三つの影が現れる。



「あ、紹介するね!試練の相手の――マクロ一味だよ!」

「マクロ?マグロじゃなくて?」

「マクロだボケェ!!」

「タンスイとギャロは関係ねェな」

「あるわボケ!お前らは俺とチームだろうが!」



なんとも大胆不敵な一味だ。
バカッぽい人?魚?が二人いるが。



「マグロさんマグロさん」

「マ・ク・ロ・だっつってんだろ!喧嘩売ってんのか!?」



新鮮かつ弄りがいのあるマクロに内心悪戯心が沸き上がる。
叫ぶ、人と魚の中間点のような彼にリーシャは質問をした。



「腰に刺さってる棒はなんですか?私集団リンチでもされるんですか?」

「アホか!わいらとゲームするっちゅーことケイミーに聞いただろうが!」

「ケイミーいつ誘拐する?」

「これが終わってからでいいだろ。ゲヘヘ」

「てめェら黙っとけ!」



ギャロとタンスイは何やら雲行きの怪しい会話を繰り広げている。
それを一喝するマクロの額には冷や汗が。



(人魚さん達とは仲が良いわけじゃないのね……)



苦笑混じりに笑みを漏らす。
この事を理解して組んでいるのだろうか。



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