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「あん?」



ドフラミンゴは口元を歪めて後ろを振り返る。
ベラミーは必死に納得出来ない云々を言い出した。



「天候を元に戻すなんてありえねェ!そいつらの言いなりになる必要なんて――」

「ベラミーくんよォ」



ベラミーの言葉を遮ったドフラミンゴが馬鹿馬鹿しいとばかりにユラリと顔の位置を戻す。



「てめェは勇者に負けたんだぜ?」

「っ!!」



ベラミーは恐怖に冷や汗をかいていた。
何を怯えているのか、なんて考える前に理解する。



「用済みだ」



その瞬間、ベラミーの足元に穴が空く。
反応する前に彼は悲鳴を上げて落ちた。
一瞬の出来事にリーシャ達は唖然とする。



「い、今、今っ」

「あ?あいつは敗者だからなァ。さて」



と、ドフラミンゴは最初から何もなかったかの様に平然と進めた。
ほわりとコンパスとクリスタルがロー達の前に現れる。



「試練をクリアしたお前達には俺からのご褒美だ」

「どーも……」



シャチが放心しているリーシャの代わりに答える。



「おまけとして豪雨と雷は止めたぜ。今頃空は晴天だろうな……フッフッフ」



ドフラミンゴの言葉を最後にリーシャの記憶は飛んだ。
放心状態から抜け出した時には既に神殿の外であった。



「あ――あれ?……ここ、どこ……?外?」

「お前は、まァ……気絶してたとでも言っておく」

「???」



ローのぼかした言い方に訳がわからなかった。
とりあえず試練は無事にクリアしたという事は理解でき、後は天気が晴れ晴れとしていた事に驚く。



「うっわあー、眩しいや!」



手で日よけを作り目を庇う。
隣でベポが「ずっと雨なんて可哀相だよね」と呟いた。



「ノエルさん、どうしてるだろ」

「言ってみるか?」

「いいの?ペンギン」

「ああ」



ペンギンは帽子を深く被り頷く。
きっと今の自分は目を輝かせているのだろう。
そうと決まればノエルの家に向かう事にした。



ところが――。



「な……んで」



ノエルの家がなかったのだ。
焼けた後も何かがあった後も。
なんの痕跡もなく、最初から何もなかったかのように野原が広がっていた。



「確かに、あったのに」

「リーシャ」

「嘘、どーして」



ペンギンの静止の声を聞かず駆け出す。



「なんで、場所違う?」



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